今週の一本
「ジェイソンX 13日の金曜日」
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みなさんご存知の「13日の金曜日」シリーズも10作目を迎えることになりました。一作目から既に22年、ジェイソン「もはや地球じゃ物足りない」そうです。
そう、ジェイソン宇宙へ。
監督、ジム・アイザック。この人、『ザ・フライ』『裸のランチ』『イグジステンズ』でVFXを務めていたらしいんですよ。すべてデビッド・クローネンバーグの監督作品です。そのつながりで、なんと今回クローネンバーグがカメオ出演してるんですよね。クローネンバーグは条件つきで快諾してくれたそうです。その条件とは「自分が演じる役を殺すこと」。かくして、彼演ずるウィマー博士は惨殺されるわけです。いやまったくいい話ですな。ジェイソンにはケイン・ホッダー。彼はジェイソン役4度目のベテランです。ちなみに彼は下唇の内側に「KILL」の文字をタトゥーしているそうです。頼もしい限りですな。
今作を数式で表すと、
(『エイリアン』+『エイリアン2』)÷2−エイリアン+ジェイソン
となります。想像してみて下さい、ナタ片手に宇宙船内をうろつくジェイソンを。そして武装した兵士の喉をバッサリ。どうですか?この不条理感。これはこのバカさを楽しめる人のための映画なんですね。監督は明らかに狙ってますし。
残念なのは、アクション要素を盛り込めたはずのジェイソンVS傭兵シーンが意外にあっけなかったことです。このあたり、せっかくの設定が生かされていませんでした。傭兵、もうちょっと強くてもよかったけどなあ。しかし女アンドロイドとの戦いからラストにかけては、バカさ全開の面白さ。たたみかけるような不条理な展開に、バカ度は一気にマックスまで加速。そのバカっぷり、すがすがしいほどでした。ただ少々マニアックなため、2点とさせていただきました。マニアの方は+1点でお願いします。
『スターウォーズ』『オースティンパワーズ』と同様、もはやこのシリーズに期待することは、ストーリーの巧妙さでもホラーとしての怖さでもありません。また、話に矛盾があろうとパクリであろうと、それは大した問題ではないのです。そこにナタを持ったジェイソンがいるだけでいいのですから。
評者→青木泰子(29):いい映画って少ないですね。年に数本見つかれば多い方。これじゃあまりに寂しい。ならば残ったダメ作品を楽しむしかない。例えダメな作品でもダメなりに楽しく紹介する、そんなレビューになればいいな。
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