今週の一本
「007/ダイ・アナザー・デイ」
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第1作目をショーン・コネリーが演じてから40年。ボンドシリーズも20作目を迎えました。監督はニュージーランド出身のリー・タマホリ。ダブル記念作として、過去シリーズへのオマージュが随所にあふれる作品になっています。
英国秘密諜報部員007ことジェームス・ボンドには5代目ピアース・ブロスナン。ブロスナンボンドは今作で最後と噂されていたのですが、ホントのところはまだ分からないようです。ブロスナン自身はまだやる気ありそうですし。いずれにせよ、キャラクターのイメージが確立されているだけに、新ボンド探しは毎回大変なようです。役者としてそこそこのキャリアがある上、イメージが定着しやすいボンド役を嫌がらない俳優でなければならない。そして何よりもボンドとしての素質がないといけません。そう、ボンドといえば胸毛であり、うで毛であり、さらには青々としたヒゲ剃り跡なのです。また、重要なファクターとしてケツあごがあります。歴代ボンド5人中、ケツあごは3人。初代のショーン・コネリーとブロスナン以外はみ〜んなケツあご。ですが、スチール写真などを見ると、ケツあごでないはずのブロスナンもたまにケツあごっぽくなっているときがあり、あごに力を入れて必死にケツあごを作っている彼の努力を垣間見ることが出来ます。ちなみに6代目ボンドとして噂になったのがラッセル・クロウでして、彼の顔を改めて確認しますと、こりゃ見事なケツあごだよ!うわーい、やったー(嬉しいか?)。さわらせてー(アホ)。
そしてボンドガールにはアカデミー賞女優ハル・ベリー。ナイスバディです。彼女がオレンジビキニで海中からボイ〜ンと登場するシーンには、さすがのボンドも双眼鏡を握りしめた只のエロオヤジ状態でした。しかし『チョコレート』でかなり激しいセックスシーンを演じた彼女にとっては「ビキニなんて恥ずかしくも何ともない」らしい。また彼女はこうも言ったそうです。「パイオツなんてただの脂肪よ」と。「見たけりゃいくらでも見せてやるわ」と。なんて男前なんでしょう。惚れそうです。
国際情勢や社会問題をテーマに描かれつづけてきたボンドシリーズですが、今回の敵は北朝鮮です。しかし、やってることは『オースティン・パワーズ』並にマンガ的な悪事(太陽エネルギーを集めて地表に照射する軍事衛星の開発)なので、実在する国を取り上げる意味が本当にあるのか疑問です。「敵は地球征服をもくろむ悪の秘密結社」なんて設定でも、ストーリー上なんら問題ないような気さえします。もう少しマシな脚本なかったのかなぁ。
とはいえ、ボンド映画の魅力ってズバリお約束にあると思うんですよ。ストーリーは二の次。おなじみのテーマソングとオープニング。セクシーなボンドとボンドガール。仕掛け満載のボンドカーを始めとする、スパイグッズの数々が登場すればそれでヨシ。そんな中でも今回一番の見せ場となるのは、やはりボンドカー(銀のアストンマーチン)と悪のボンドカー(緑のジャガー)の対決シーンでしょう。お互いの武器を駆使しながらの闘いは、なかなかバカっぽくて良かった。他に見応えのあるシーンとしては、上半身裸で横たわるボンドのモッサモッサした特殊メイクのような胸毛(そのまま下半身へと繋がっているようだ…)と、
どつき合いフェンシングの末の鼻血ボンドあたりでしょうか。ジェームス・ボンド12インチフィギュア(ノーズ・ブリーディングバージョン)なんかが発売されたら絶対買います。
注目のハル・ベリー演ずるジンクスですが、思ったほど活躍しなかったのが残念です。最強のボンドガールなどと言われてますが、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』のミシェル・ヨーのほうが強いのでは?
あと、ここ数年での大きな変化としてCGの導入があげられます。今作も後半は使いまくりでした。しかし、どうもCG感丸出しで納得がいかん。CGにしか見えないCGにはいい加減ウンザリ。今やオープニングの女体乱舞でさえCGなんですよね。この辺りも、ちゃんと生身の女体を使ってほしいものです(私はオヤジか)。
ここまできて言うのもなんですが、実は私、こういった欧米的セクシーが理解できんのです。世界のジェームス・ボンドがただの毛深い絶倫エロ中年にしか見えん。これは私の感覚がおかしいだけなのでしょうか?みなさんの意見をぜひお聞きしたいところです。
評者→青木泰子(30):いい映画って少ないですね。年に数本見つかれば多い方。これじゃあまりに寂しい。ならば残ったダメ作品を楽しむしかない。例えダメな作品でもダメなりに楽しく紹介する、そんなレビューになればいいな。
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