今週の一曲
「アンバランス」
KICK THE CAN CREW
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悩んでますか?斎藤です。人生、このままでいいのか?まだ24なのか?もう24なのか?なんて悩む日々です。ある程度先が見えてきちゃった気がして、閉塞感に襲われたり。オレ、こんなもんじゃないだろ?ここで終わりか?なんて考え始めちゃうんですよ。実際は始まってもいないくせに。
ということで、今週はKICK THE CAN CREWの「アンバランス」です。「イツナロウバ」のバックトラックに感涙したものの、「クリスマス・イブRap」や「マルシェ」を聞いてからは、ヒップホップブームに乗ってでてきた”チャライにぃちゃん達”かと思ってたんですが、今作は違います。"弱さ"とそれを受け止める"強さ"が出てます。
最初は
行かせてくれ 言わせてくれ もう少しガキでいさせてくれよ
今はちょっと手が放せなくて 先のことなどは話せなくて
年齢なんて無関係 やっぱ安定なんてつまんねぇよ
なんて言ってるんですよ。安定することで将来が見えてしまうつまらなさ。あるいは、本当にあるのかは分からないけど、自分の可能性にもうチョト賭けてみたい、賭けさせてほしい気持ち。確かに共感できます。まだまだ責任ある立場になりたくない、まだまだ気楽に生きたい、って甘えや、歳はとったけど、まだなにも出来るようになっていない、何も成し遂げていない、って焦りも。でも、それだけだとただのワガママだよな、と同じ様なことで悩んでいるぼくには思えてしまうのですが…
じたばたしてても時は流れる(中略)知ってるさ俺らはピーターパンじゃねぇ
そんな日が来ても毎朝 輝いているためのマイアンサー
と彼らはくる。わかってるんですよ。このままでいたい、子供でいたい、やりたいことやっていたい、って言ってたって、そうはいかなくなる日が来ることを。わかった上で、それでもさらにその先を目指すために、今はこのままでいることに決めた、と。
そして、
階段を上がんなら 今じゃない 今はアンバランス
と開き直る。 この開き直りこそが"強さ"じゃないかな、と思い、今回この曲を取り上げてみました。 詞に関して、巧くまとまってるとか、情景が目に浮かぶよう、とか抜きに、感情一辺倒でベタボメしましたが、音もカナリ。打ち込み中心のバックトラックに漂う、夏休み(楽しいこと)の終わりを連想させるような哀愁も、心に染みました。"今はまだこのままでいいたいんだ、ずっとこのままでいられないのも分かってるけど"という詞にさらに感情移入を促します。
かなり僕自身の現在の心理状態の影響が出てますが、以上が今回5点とした理由です。
それではまた来週。
評者→斎藤 滋(24):一番好きな歌はスーパーカーの「Sunday
People」。言葉で激しく主張するのではなく、メロディ、アレンジ、詞が絡み合い、全体で“何か”を伝えてくれる曲が好きです。スガシカオの人の心の動きとシチュエーションを切り取る詞も好な一方、全盛期の小沢健二の暴力的なまでのキャッチーさにもひかれたりします。
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