今週の一曲
「キセキ」
タッキー&翼
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友達多い方ですか?斎藤です。今回は待望の滝沢君デビュー作「キセキ」です。どんな経緯かはよくわからないのですが、Jr.二番人気の今井君とのユニットだそうで。何でこの二人なのか?ユニット名は捻り過ぎた結果なのか?もっと早く出ておけばよかったんじゃないの?など、疑問・興味は尽きません。
まず響いたのは編曲。CHOKKAKUと言う、「夜空ノムコウ」あたりのSMAPや、真心ブラザーズの傑作「ENDLESS SUMMER NUDE」なんかを手がけたアレンジャーなんですが、「キセキ」でもいい仕事してます。サビの部分のオルゴールからイントロがシンプルに始まって、生ギターが加わり段々盛り上がり、<♪めぐりめぐる軌跡が>とサビが歌われる頃には大盛り上がり。巧いです。匠です。
と、ここですごく気になったことが・・・。
バックトラックは大盛り上がりなのに、それに応えるだけの迫力が歌に無い。別に下手なわけじゃないんですよ。音が外れているのが気になるところもないし、高いところはムリしてまでは出そうとしてないし。そのあたりの無難さがまた、迫力の無さに拍車をかけてる。
例えば、SMAPなんかは、多少外れている人がいてもみんなでユニゾン。声の厚みも、親しみやすさも出てくるから、いい感じ。ただそれは大所帯の魅力。人数の少ない、Kinki Kidsは最初からそれなりに上手かったし。
では、タッキーはどうするか?もっとガンバレ、って言っててもしょうがないので、曲を選ぶべきでは。具体的には、サビに思いっきり力が入る「キセキ」のような曲ではなく、もうちょっとスローテンポな例えば「らいおんハート」みたいなゆっくり、しっとり系。
と思って、ミニアルバムに入っている他の曲を聴いていたら、ありました。「願い」という曲なんですが、ほぼ全編ピアノのみで、滝沢君が歌い上げるバラード。シットリ、しっかりと聴かせてくれます。
ミニアルバム内のほかの曲も聴き比べたところ、より明確になりました。豪華なバックトラックでは、歌も同等レベルを求められてしまって、力不足が浮き彫りになってしまいます。シンガー:現段階の滝沢秀明を活かすなら、シンプルな構成のほうがいい、と。
その後、歌詞カードを見て、恐ろしいことを発見しました。聴いているだけでは気付かなかったのですが、カタカナがオオイ!<ジユウとコドク>、<カケラ>、<ヒカル>、<勇気(チカラ)>、<イキルシルシ>など。タイトル自体、「キセキ」で"軌跡"と"奇跡"をかけたかったみたいだけど、他は・・・。乱発しすぎでそれぞれが強調出来ていない気がします。
「太陽の季節」の主題歌だたったらしいのですが、伝説の「障子破り」どころか、一回たりともまともに見ていうちに終了してしまったので、ドラマとどのくらいリンクしているのかは分からずじまいです。そのへんがクリアだと、詞ももっと違ったとらえ方が出来るのかもしれませんが。
そのようなことから、待たせるだけ待たせた滝沢君のデビュー作は、音・歌ともにそれなりによく出来てはいるのですが、バランスの悪さを感じ、3点とさせていただきました。
それでは、また次回。
評者→斎藤 滋(24):一番好きな歌はスーパーカーの「Sunday
People」。言葉で激しく主張するのではなく、メロディ、アレンジ、詞が絡み合い、全体で“何か”を伝えてくれる曲が好きです。スガシカオの人の心の動きとシチュエーションを切り取る詞も好な一方、全盛期の小沢健二の暴力的なまでのキャッチーさにもひかれたりします。
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