今週の一曲
「初恋」
CHARA
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恋してますか?斎藤です。今回はCHARAの「初恋」です。
まず、タイトルの“初恋“なんですが、♪あなたの望む私では情熱がなくてキライ ♪今を愛する才能を呼び出して/夢よ泣かないで 身をこがすのよ/恋がしたいのよと、歌詞を聞くとどうやら、長く付き合って、恋に落ちた時のような衝動や切なさがなくなってきちゃった。“初恋”のドキドキが欲しい、いつも“初恋”の時のような気分でいたい、落ち着いちゃうなよ自分!ってことのようです。難しい問題ですよね。安定と冒険。より所と責任。
そして、曲を聴いたところ、驚きがありました。怖くないんです。CHARAの曲って、感情がこもりすぎていて、今まで苦手だったんですよ。ズシリと重く、サラッと聞き流せない。こちら(聞く側)にも覚悟を求められてて。それが、「初恋」は怖くない。CHARAの歌に、過剰なまでの情念を感じない。
じゃぁ、個性が無くなったのか、って言うと、そういうわけでもない。いつまでも恋をしていたい切ない女心を、相変わらず上手くメリハリをつけて歌ってる。何が違うのかな?と思うと、アレンジかも。ピアノの弾き語り(CHARA自演)と最低限のリズムを基本に音が構成されていて、サビになると適度にストリングスとか入る。特段ヒネクレたことなどしているわけではないんですが、強弱が絶妙で、ポップ。
あなたの望む私では情熱がなくてキライ 身をこがす恋がしたい って言われると、今の人から気持ちが離れていてって、新しい恋を求めているように聞こえる。でも、今の状態(相手も含めて)に本当に飽きてたりするわけじゃない、ちょっとダラダラと退屈を感じてきて、「もっと”恋“してよ〜よ」って甘えてる感じに聞こえるんですよ、このポップなアレンジだと。だから、安心と冒険で前者を取ってしまうぼくも怖がらずに聴けてんだと思います。
CHARAの場合、その個性の強さが魅力でもあるんですが、同時に敬遠される点であるのも事実。だから、個性を殺さない範囲で、アクが取れた“怖くない”CHARAの新曲は4点とさせていただきます。
では、また次回。
評者→斎藤 滋(24):一番好きな歌はスーパーカーの「Sunday
People」。言葉で激しく主張するのではなく、メロディ、アレンジ、詞が絡み合い、全体で“何か”を伝えてくれる曲が好きです。スガシカオの人の心の動きとシチュエーションを切り取る詞も好な一方、全盛期の小沢健二の暴力的なまでのキャッチーさにもひかれたりします。
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