今週の一曲
「テレフォン・ラブ」
曽我部恵一
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電話だと「好き」って言えちゃったりするほうですか?斎藤です。
今回は元サニーデイ・サービスの曽我部恵一の「テレフォン・ラブ」です。少し前に出たファーストアルバムからのリカットで、ソロ第2弾、メジャー1stシングルです。
サニーデイ・サービスと言えば、90年代後半の「はっぴいえんど」ブームの立役者、最強の「はっぴいえんど」フォロアー。なんですが、サニーデイ・サービスは大き分けて、3つの時期に分けられると思います。「はっぴいえんど」の完全なフォロアーだった前期。そこから一歩進んで音に幅が出始めた中期、グランジ風、完全な歌モノ、打ち込み、と実験的な曲が多い後期。
ただ、これは“音”に関しての話であって、詞はいつも恥ずかしいくらいにロマンティックに愛を語ってます。
で、今回の「テレフォン・ラブ」はどうだったのか、って言うと、これが大ヒット!! 打ち込み中心で“バンド”ってスタイルが無意味に感じられたラストアルバム「LOVE
ALBM」の次のソロ作品はその流れで来るのかと思いきや、逆。これ以上減らしたらシングルとして出すには耐えないんじゃないか、ってくらい音数が少ない。一応シングルカットするに当たって、大きなリズムを刻む打ち込みのビートを追加してるんですが、ところどころで入るギターのフレーズの伴奏だけで、あとは歌。それと、間奏で入る口笛がいい味出してます。全体に流れるゆる〜い感じを強調します。
♪でんわでぼくはRing Ring I Love You
♪でんわで今日は愛してるっていえるかな
と、詞は甘々なんですが、音のかっこよさと声の優しさが作る雰囲気で包まれ、すんなり入ってきます。 つまり、それなんです。やはり、曽我部作品の魅力は、“文系男子のロマンティック“。コレに尽きます。「俺に付いてコイ!」「何があって君は俺が守る!」なんて男らしいことは、恥ずかしくて、自信が無くて、とても言えない。でも、好きな子には愛を語りたい、甘い言葉の一つも言ってみたい。文系男子の希望:曽我部氏は、小粋な音と肩の力が抜けた歌声で完全武装して、甘く愛を語るのです。
と、曲(含:アレンジ)+詞+声が文句が無いくらい相互にいいところを引き出しあってる「テレフォンラブ」は5点とさせていただきました。
そう言えば、声に中期頃に身につけたエロさがなく、爽やかでした。むしろ、エロさが無い方がこの曲には合ってたのも好材料でした。
今回は以上です。それではまた次回。
評者→斎藤 滋(24):一番好きな歌はスーパーカーの「Sunday
People」。言葉で激しく主張するのではなく、メロディ、アレンジ、詞が絡み合い、全体で“何か”を伝えてくれる曲が好きです。スガシカオの人の心の動きとシチュエーションを切り取る詞も好な一方、全盛期の小沢健二の暴力的なまでのキャッチーさにもひかれたりします。
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