今週の一曲
「佐賀県」
はなわ
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サイタマー! 斎藤です。今回ははなわの「佐賀県」です。
唐突ですが、皆さんは気になる曲があった場合、何を基準に購入を決めますか?
手元に置いておいて、何度も聞きたい。いい曲なので、財産として手元に形で残しておきたい。といったところではないでしょうか。
なぜこんなことを書くかというと、どう聞いてもコミックソングにしか聞こえない「佐賀県」が恐ろしく売れているらしく、オリコンの順位も上がるなど、大人気のようだからです。
コミックソングの欠点として、「2回目からはそうは笑えない」というという点があると思います。そのため、CDで買うに値する曲が少ないジャンルかと思われます。
そして、改めてしっかりと聴いてみたところ、理由がわかりました。飽き問題を越えるべく、この「佐賀県」が提示したのは、ノリのよさだったのです。
サビの♪SAGA さが/SAGA 佐賀〜の部分はとてもキャッチーで、私も気が付くとこの部分を口にしていることがあります。
楽曲としての“完成度“というと大掛かりですが、キャッチーなパンクロックとして、それなりに成立していたのが勝因のようです。
とは言え、はなわ氏自身の問題があります。上で書いた飽きられやすさは、曲に対してだけでなく、ミュージシャン本人にもついても当然言えます。常に新しい面白くてキャッチーなものを提供していかなければならないのはシンドイですよね。しかも、今日の性質上、聴けば聴くほど味が無くなっていきますから。。
そのような理由から、ぼくははなわ氏の今後の身の振り方に興味があります。
正直なところ、お笑いの人として潔く、松井のモノマネに戻ってしまうのもアリではないかと思っています。これ以上、同じ方向で書いていくことは、松井以外のネタをさがすよりも難しいと思われます。
そのことが端的に出てきているのが詞です。「吉野家ではなく吉田屋」とか「キャチフレーズが『さがそう佐賀』」などは佐賀固有のものですが、「ヤンキーがマジでモテる」とか「徒歩通学でもヘルメット」と言ったことは、佐賀県限定のもではないはずで、地方に行けばそれなりに聞く話しではないでしょうか。しかも、詞中のエピソードの割合でも、実は佐賀限定とは言えないネタのほうが多くなっています。
また、出身地ということで、佐賀県についてのみ圧倒的なアドバンテージを持っています。ゲタをはいてしまっている状態です。
しかし、だからこそ、47の全都道府県バージョンを完成させ(すでに10県分くらいはできているらしいです)、何の基礎情報も無い地域でも、その観察眼が優れていることを見せて欲しいのも事実。ちょっと欲張りですかね。(笑)
と、いうことで今回の「佐賀県」は合格点の3点とさせていただきました。
それでは、また次回!
評者→斎藤 滋(25):一番好きな歌はスーパーカーの「Sunday
People」。言葉で激しく主張するのではなく、メロディ、アレンジ、詞が絡み合い、全体で“何か”を伝えてくれる曲が好きです。スガシカオの人の心の動きとシチュエーションを切り取る詞も好な一方、全盛期の小沢健二の暴力的なまでのキャッチーさにもひかれたりします。
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