今週の一曲
「Let's go to the sea〜OASIS〜」
TUBE
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夢は見せられる方、見せるほう、どっちが好きですか?斎藤です。
夏といえば、やはり彼ら。今回はTUBEの「Let's go to the sea〜OASIS〜」です。まず、今回は謝ります。ぼくずっと、TUBEってサザンの代替品かと思っていたのですが、完全に“別物”でした。すいません。20年前後も第一線で活躍しているバンドが、たんなるパチもんのわけないですよね。
そして、曲です。「春夏秋冬シングルキャンペーン」みたいなことをやっていて、それの「夏シングル」とのことなんですが、ただでさえ夏が得意なTUBEが夏向けの曲を作ったからなのか、とても濃い仕上がりになっています。もうそれは、コテコテとしか言い様がないくらいに。
同時に、すでに熟成されていて、懐メロのような感じに響きます。新作なのに、“現在性”が欠如してるのです。去年とかもっと前にも聞いたことがある気がしてしまいます。
イントロや間奏で使われているギターのリフ、Vo.前田氏の歌声、わざとらしいスチールドラム、夏全開の詞、どれもが、“濃い”。TUBE度120%、といったところでしょうか。
詞の一部を例に挙げると、下記のような感じで、
♪眩しいほど憎い Your eyes/この夏一番熱いKissをアゲル!
ブレーキなんていらない You and Me/アクセル全開 走り出そう
どこを切っても、ただただクドイのです。
ただ、ここで気が付いたのは、TUBEってむしろ、これを求められてるんじゃないかな、ということです。ぼくが勝手に想定している彼らのファン層は、大きく分けて2通り。「ヤンキー系」と「地味OL系」。前者はよいとして、後者もそれなりにいるはずです。
それは何かと言うと、B’Zの時にも書いた、ホストくささではなかと思います。過剰な言葉、演出、空気、それに夢を見る客、そしてそんな自分と客を見て自分自身さえもその世界の住人になってしまうホスト。そんな匂いがTUBEやB’Zとそのファンからは感じます。
以上のような点から、TUBEというバンドはこれはこれでいいのかな、とも思います。間違いなく“ONLY ONE“ではあるわけで。そこで、今回の「Let's
go to the sea〜OASIS〜」は、ちゃんと”いつもどおりのTUBE“を提供してくれた、という意味で、可もなく不可もなくの3点とさせていただきました。
彼らに求めるのは、むしろ変らないことです。偉大なるマンネリズムを極めてほしいものです。
それでは、また次回。
評者→斎藤 滋(25):一番好きな歌はスーパーカーの「Sunday
People」。言葉で激しく主張するのではなく、メロディ、アレンジ、詞が絡み合い、全体で“何か”を伝えてくれる曲が好きです。スガシカオの人の心の動きとシチュエーションを切り取る詞も好な一方、全盛期の小沢健二の暴力的なまでのキャッチーさにもひかれたりします。
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