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2006年12月20日号(毎週水曜更新)
 

ウィニー開発者有罪

 「社会に生じる弊害を顧みず、独善的かつ無責任に開発した」。インターネット利用者の間で爆発的に普及したファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」の開発動機を司法が断罪した。13日、京都地裁で開かれたウィニー事件の判決公判。映画などの違法コピーを助長させたとして、開発者の刑事責任を認める初の司法判断を示した。著作物を扱う団体は判決を評価する一方、支援者からは「不当判決」の声が上がった。技術開発の委縮を危惧(きぐ)する声も聞こえ、ネットの掲示板は午前中から賛否両論の書き込みであふれた。
 ネット社会に波紋を広げたウィニー開発者の金子勇被告(36)は、判決言い渡し後、厳しい表情で記者会見に臨んだ。「残念だ。判決は技術開発を止めてしまう」。逮捕から2年半。金子被告は、訴え続けたソフト開発の正当性をあらためて強調し、裁判所の判断に不満をあらわにした。
 「私だけでなく、日本のソフトウエア技術者があいまいな『ほう助』の可能性に委縮して、有用な技術開発を止めてしまう。こうしている間にも時代は動いている」。金子被告は会見の冒頭、顔を紅潮させながら早口で思いを吐き出した。
 判決では、ウィニー利用者の著作権侵害を認識しながらソフトを開発、公開したとしたが、金子被告は「(利用者には)違法なファイルのやりとりはしないよう言ってきた。結果が悪いと何もかも悪いというのは納得できない」と反論した。
 ウイルスによるウィニーからの情報流出が相次いだことを受け、金子被告はすでに改良版ウィニーを開発しているが、弁護団は「有罪となった以上、改良版を出すわけにはいかない」と述べた。

[京都新聞(12月13日)より引用]


「提供者と使用者との隔たり」

医療関係 久田 優美子(26歳)

「幇助」という解釈の仕方が曖昧な判決ですね。しかし提供者としては、完成度の高さを鼓舞するだけではなく、使い手側の技術と良識には個々の格差があることを踏まえておく責任はあったと思います。これはネット社会だけでなくどの技術者にも言えることではないでしょうか。

「控訴すべし」

大学職員 石井 涼子(27歳)

ウィニーが著作権侵害を助長したのであれば、ウィニーの攻略本なんてもっと侵害を助長している。やはり彼はツールを提供したまでで、著作権法違反にはならないと思う。ただ、できればウィニー起動時に著作権取り扱いの注意を促す画面が出てくればよかったかも。

「ユーザー側のモラル」

派遣社員 山本 貴子(31歳)

著作権に関して問われるのは仕方ないにしろ、ユーザー側が、使い方と使う場所さえ間違えなければ、流失やウイルスの問題には発展しなかったはず。それを考慮して欲しかったけど、一般論としてはこの判決が無難なのかな。

「違法行為という自覚を」

派遣社員 前田 智美(26歳)

Winnyによる違法ダウンロードを厳密に取り締まる事ができないから、開発者が有罪判決を受けるのも止むを得ないのでは。非常に微妙な問題ですが、元凶はWinnyで違法ダウンロードをするユーザーたちです。今回の件がネットモラルの向上に繋がれば。

 

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