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2005年5月11日号(毎週水曜更新)

<尼崎脱線事故>ボウリング発覚

 マンションに電車が激突するJR史上最悪の脱線事故を知りながら、ボウリングに興じていた職員。兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故は、運転士2人が救助活動をしないまま立ち去ったことに加え、4日、事故電車の乗務員が所属するJR西日本大阪支社の天王寺車掌区でボウリング大会が行われていたことが明らかになった。「本当に申し訳ありません」。深々と頭を下げるJR西日本の垣内剛社長。事故に関する会見開始から約7時間半後、何度も繰り返された光景がまた展開され、関係者は憤りの声を上げた。
 「命より仲間内の親睦なのか」。この日午後5時に始まった記者会見。午後10時ごろに、記者からの指摘でボウリング問題が発覚すると、JR西日本本社内の会見場は異様な雰囲気に包まれた。会見は日付をまたいで断続的に続き、5日午前0時20分すぎ、予定より20分以上遅れて垣内社長が登場した。
 ボウリング大会の報告を受けた際、「考えられない」と絶句したという垣内社長は「大変情けなく、残念な気持ちでいっぱいです。被害者や遺族の方に、誠に申し訳ありません」。さらに、「一体、社内の意思疎通が行われているのか。考えさせられた。たとえ事故を知らなかったとしても、それでは済まされない」と、うつむいたまま唇をかんだ。
 垣内社長はボウリング大会について3日に報告を受けていた。「昼間の遺族への弔問の際には、ボウリング大会のことは話さなかったのか」と記者から問われると、一瞬言葉に詰まり、「詳細な事情を知らなかったので……」と、消え入るような声で答えた。
 一方、脱線した列車が自宅マンションに衝突し、避難生活を余儀なくされている原田博幸さん(28)は「びっくりした。あの大事故のさなかに、事故の発生を知りながらボウリングをしていたなんて。信じられない。ホテル暮らしで疲れは取れないし、精神的にまいっている女性たちもいる。遺族の方々が聞いたら、どんな思いをするか」と憤る。
 また、4日午後11時過ぎに事故現場近くの献花台を訪れた近鉄の元運転士(52)は「運転士だった者として、事故以来、とても情けない気持ちだ。あんな大惨事が起きれば、レジャーや懇親会なんかすべてやめるのが普通だ。国鉄時代からの体質なんだろうか」と、悲しげな表情だった。  

[毎日新聞(5月5日)より引用]


「裁くのは法によって」
ポータルサイト勤務 高橋 明彦(30歳)
基本、責めはJR西にある。大前提。でも…あのマスコミと記者会見はひどい。「どの面さげて!」とか社長に言っちゃう記者…JR西で一生懸命頑張っている人たち+家族もいるって事を考えると、もちっと冷静でもいい。あんたらには裁く権利はないハズ。

「大きすぎる警笛」
派遣社員 前田 智美(25歳)
ボウリングやら宴会やら。叩けば埃まみれのJR。ここ数年、大企業の中で長年蓄積された、歪んだ価値観が世間に暴かれる事件が増えている。今回は多くの尊い人命を巻き込んだ、最悪のケース。JRが、というよりも、社会が変わらなければならないと痛感。

「もういいでしょ」

サッカー新聞勤務 斎藤 滋(27歳)

連日のJR西批判。もう、お腹いっぱいです。企業体質が、あの事故の遠因となったことは認めます。しかし、もういわば企業の人格批判のような、報道。被害者、関係者にも、そういうコメントをしむける、質問の振り方。ぼくは、その報道のほうが気持ちが悪い。

「制度憎んで人を憎まず」

大学教員 服部 圭介(27歳)

不謹慎な行動だったことは確かでしょうが、私は「真実の究明」ではなく「いかにJR西の職員が人間性がないか」と人格攻撃をする記者が多くいたことが残念でした。悪いのは社の「制度」であってそこにいる「人間」ばかりを責めても仕方がありません。

 

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