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2005年6月8日号(毎週水曜更新)

携帯でモノを買うのはどんな人?

 携帯電話でモノを買う、モバイルコマース市場が伸びている。
 モバイルコマース市場は、通販を中心とする物販系、イベントや航空券などのチケットを扱うサービス系、証券取引やオークションなどの手数料を扱うトランザクション系の3分野で構成される。2004年の1年間で2013億円を売り上げ、前年度比145%という成長市場だ。
 このなかで特に伸びているのが物販系。しかしそう聞いても、個人的には身の回りで「私は携帯でモノを買っている」という人はほとんど見かけない。
 携帯電話を使って、どんな人が何を買っているのか。物販系携帯サイトを運営する、複数の事業者に取材した。

●主力は10代後半から20代前半の女性
 月間PV16億を誇る携帯ポータルサイト「ガールズウォーカードットコム」。運営しているゼイヴェルによると、ガールズウォーカーにアクセスする読者は、女性が86%、男性が14%。リンクしているモバイルコマースサイト「ガールズショッピング」で実際に商品を購入しているのは女性が92%、男性が8%だという。女性の世代別内訳は以下の通りだ。
 ガールズショッピングのターゲットは主に10代後半〜20代前半。読者と、実際にお金を使う購入者とでは微妙に差があるものの、いわゆるF1層(20〜34歳の女性)より若干下の年齢層であることが分かる。ゼイヴェルでは、ガールズショッピングのターゲットより少し上、24〜25歳を狙った新サイト「ファッションアリーナ」を6月からスタートさせ、20代後半女性の取り込みに力を入れる。
 神戸系カジュアルブランドを揃えるサイト「オシャレライフ」を運営するモバイルインパルス社長の澤居大介氏も同じ意見だ。「(携帯で買い物をするのは)18歳から23歳くらいの若い女性。その中でも特に、流行に敏感な子」と断言する。「モバイルコマース市場はバブル的に取り上げられているだけで、まだ本格的にはできていない。ホントに小さなマーケットだ。そこを支えてくれているのは彼女たち」
 オシャレライフには、「JJ」「CamCan」といった雑誌に載るブランドが並び、雑誌に掲載された洋服も多く販売されている。「年間100万円くらい使う子もいる」(澤居氏)

●モバイルショッピングはリアル店舗に近い
 若い女性が中心であることは間違いないが、ユーザープロフィールが少しずつ変わってきた、と見ているのはネットプライスの伊藤直氏だ。ネットプライスでは購入者が多く集まるほど価格が安くなる「ギャザリング」という独自の買い物形式を、携帯版サイトとPC版サイトの両方で提供している。
 「2000年のころは、20代後半のお客様が中心で、平均年齢26歳くらいでした。最近は30歳くらいが平均です。以前は25歳から30歳くらいまでのお客様に集中していましたが、最近は『バラけてきたな』と実感しています。今は40代の方も20%くらいいて、『携帯を使って何かをする』層が広がってきていますね」(伊藤氏)
 「ユーザーの男女比を見ると、携帯版では3:7ですが、PCでは55:45くらい。モバイルのほうがリアルな市場の姿に近い」と伊藤氏は話す。「グループインタビューなどをしてみても、ごくごく普通の女性が多いです。OLさんや主婦の方も多いですね。OLさんは、PCは使えるが、プライベートでPCを1人1台持っていないことが多い。あとは主婦、とくにPCの前にゆっくり座っている時間が取れない子育て中のママなどにとって、携帯での買い物は非常に便利」
 「携帯では子育て中の母親ならではのものが売れる」というのは、Amazonのプロダクトマネージャー平山景子氏だ。「知育玩具など、『おもちゃ&ホビー』の売り上げがいいんです。赤ちゃん向けの商品が伸びています。赤ちゃんを育てている主婦など、ノンPC層であったり、PC所有層であっても『パソコンの前にいる時間がない』人たちにリーチできているみたいですね」

●3G+定額制でユーザーの裾野は広がるか
 3G携帯やパケット定額制の普及により、画像の多いサイトでも快適に、しかもパケット通信料を気にせず閲覧できるようになったことも、モバイルコマース市場を後押ししている大きな要因だ。「定額だとじっくり楽しんでもらえるし、画像を多く入れられるので、商品の紹介もより詳細にできる。ユーザーがアクセスする頻度も上がる」という意見はどこのサイトでも聞かれた。
 各サイトではユーザーの利用端末についても調査しているが、「3G端末を利用している人が圧倒的に多い。定額制に入っている人がほとんどなはず」という認識は共通している。キャリア別に見ると「NTTドコモ>au>ボーダフォン」という回答も共通だ。「iモードから始まったので、ドコモユーザーが圧倒的に多い。auユーザーも増えている」(伊藤氏)
 定額制が普及すれば、若い女性以外にもユーザーは広がっていきそうだ。「とくに主婦は、携帯でメールしかしない。『何かやったらお金がかかるんじゃないか』と不安に思って、Webブラウズなんかしいませんよ。でも、3Gと定額制が普及すれば変わってくるかもしれない。主婦にとっては、PCより携帯のほうがずっと手軽で便利なはずですからね」(澤居氏)
 

[ITmediaエンタープライズ(6月3日)より引用]


知らなかった」
ソフトウェア開発会社勤務 青木 泰子(32歳)
ファッション関係の商品が売れてるとは驚き。買う人は携帯の小さな画面だけでなく、市販の雑誌で情報を補った上で商品を選ぶわけか。「雑誌に載っている」こと自体が大きなステータスになるし、うまく出来てます。雑誌片手に携帯で買い物するのも楽しいかも。

「普及後の不安」
派遣社員 前田 智美(25歳)
PCの大画面に慣れている身としては、携帯でショッピングって抵抗アリで私は未だ未経験です。携帯でなら文字通り「いつでもどこでも」物が買えるわけだから、ハマるとカードの請求が・・・という心配もあるし。若い子とか特に心配になります。

「女性は買い物好き」

大学教員 服部 圭介(28歳)

パソコン経由のネット環境が身近でない女性層までもがネットショッピングに参戦。なるほど最近若者がどこでも携帯をチマチマいじっているわけだ。関係ありませんが、最近の男性は稼ぐことばかり、女性はお金を使うことばかり考えているように感じますね。

「浮世離れのコワさ」

ポータルサイト勤務 高橋 明彦(30歳)

確かに「非PC層」ってよく考えると…一杯いるハズ。回線・資金・住居・出産・入院etc様々な理由で「携帯」が唯一のネット機器である人の存在を思い出して…ハッとしました。「PCが当たり前の生活」の中にいると、世間とズレが、社会人として怖いですね。

 

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