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2005年9月7日号(毎週水曜更新)

「毎日かあさん」論争

 文化庁メディア芸術祭賞を受賞した漫画「毎日かあさん」を巡り、作者の漫画家西原(さいばら)理恵子さん(40)と東京・武蔵野市の間で論争が起きている。
 西原さんの長男(8)が通う同市立小学校が、西原さんに「学校を作品の舞台にしないでほしい」と申し入れたためだ。
 「表現の自由への圧力」と抗議する西原さんに対し、市側も「正当な教育的配慮」と譲らない。双方が文書で主張を繰り返す事態となっており、9月2日の同市議会でも取り上げられる予定だ。
 西原さんは、「ぼくんち」「恨ミシュラン」などの作品や、放映中のNHK連続テレビ小説「ファイト」のタイトル画で知られる。
 「毎日かあさん」は、武蔵野市やその周辺を連想させる街を舞台に、西原さんの長男や同年代の子ども、母親を思わせる登場人物の日常をコミカルに描いており、2002年10月から毎日新聞で週1回連載中。連載をまとめた単行本も既に2巻が毎日新聞社から発行されている。昨年、文化庁メディア芸術祭賞、今年は手塚治虫文化賞を受けた。
 問題となったのは、授業参観の場面。主人公の母親が、落ち着きのないわが子を含む児童5人を「クラスの五大バカ」と表現し、ユーモアを交えつつ、子どもの成長を見守る内容だ。
 この場面が紙面に載った直後の昨年11月、長男の担任の女性教諭(40)が西原さんを学校に呼び出し、「迷惑している」「学校を描かないでほしい」と注文をつけた。
 西原さんは翌12月、毎日新聞社の担当者と同小学校に出向き、校長らに「保護者だからといって、編集者を通さず作者を直接呼びつけるのは非常識だ」と抗議。校長らは「学校に落ち度はない」と主張したという。
 西原さんは、父母の一部から「学校とトラブルを起こすならPTA活動に参加しないでほしい」と告げられたのを機に、今年6、7月、弁護士を通じて市側に「作品はあくまでフィクション」「公権力による表現の自由の侵害ではないか」などの文書を送った。これに対し、市側は、「他の児童や保護者への配慮をお願いした」「作品中に『武蔵野市』の固有名詞もあり、児童の人権に教育的配慮を求めることは当然」などと、8月までに2回、文書で回答した。
 西原さんは「フィクション作品の内容に介入するのは納得できない。子どもを学校に預けている立場上、作品を描くこと自体をやめろと言われたに等しい」と憤る。また、毎日新聞東京本社編集局は「毎日かあさんは西原さんの経験に基づいたフィクションで、内容については人権やプライバシーに十分配慮して掲載している。学校側には納得してもらったと認識している」としている。
 一方、同市教育委員会の南條和行・教育部長は「保護者を学校に呼ぶことは珍しくない。表現の自由を侵害してはいない。学校には不特定多数の児童がおり、配慮するのは当然だと思う」と話している。
 

[読売新聞(8月31日)より引用]


「ネタばれは良くない」
フリー調査業(弁護士補助) 田中 教之(29歳)
問題は、その「五大バカ」が特定できる内容かどうか?生徒や保護者、教師個人がプライバシーの侵害を感じて、嫌な気持ちになっているか?だと思います。最近の判例は、表現の自由よりも個人のプライバシーを保護する傾向にあるので、西原さんの立場は厳しいですね。

「内容で判断」
葬儀関連派遣社員 浅羽 祐治(33歳)
芸術には作者が人として体験し自分の中に取り込んだことを、作家として生み出すというサイクルがあります。それを禁止されては作家たりえないというのは正論です。フィクションだからと人権に配慮しないのは問題外だが、内容を司法に委ねるのが最善かと思う。

「同じネタ出し屋として」

大学職員 石井 涼子(26歳)

全部は読んでいないが、この人の漫画は結構面白い。フィクションだと割り切って、私は西原さんを応援したい。この手の論争は週レビにも言える事。表現の自由かプライバシーか。身近な生活はネタにしやすいが、周りの人を傷つけることもある。気をつけないと。

「毒の使い方」

ポータルサイト勤務 高橋 明彦(31歳)

個人的にサイバラ好きなんですよ。でも・・・あの「毒」が実存する人々に向けられるならちょっと厳しいかも。彼女の奔放な漫画を知ってるだけに。雀荘や、金持ち仲間ならいいですけど。学校で、先生となると、すごいストレスかもw。客層も違いますし。やや自粛した方がいいかも。

 

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