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2006年4月26日号(毎週水曜更新)

元日本兵の上野さん、63年ぶり帰郷

 終戦後もサハリン(樺太)に残って消息不明になり、ウクライナで暮らしていたことが分かった元陸軍兵士の上野石之助さん(83)=岩手県洋野町出身=は20日、出征した昭和18年以来63年ぶりに古里の土を踏み、弟や妹らと感激の再会を果たした。
 午後2時半ごろ、JR盛岡駅に着いた上野さんは、一緒に来日した長男のアナトリーさん(37)とともに県庁へ。知事室で待っていた弟の左舘丑太郎さん(81)、妹の下城ハナエさん(75)、上野タケさん(69)の姿を見つけると歩み寄り、目を潤ませながら抱き合った。
 報道陣に、弟妹と再会した気持ちを問われると、「まだ感動で、言葉が出ない」。帰国まで60年以上も要したことについては「運命だったと思う」と、通訳を通じて答えた。ウクライナでは日本語で話す相手がおらず、ほとんど話せなくなったため、「日本語の本を買って、勉強中」とも。
 上野さんは滞在中、洋野町の生家で過ごし、両親の墓参をしたり、地区の歓迎会に出る予定という。
 

[読売新聞(4月20日)より引用]


「今この時に帰国した意味」
派遣社員 前田 智美(26歳)
ロシア語でインタビューに答える上野さんを見ていると、戦争という悲劇が実際にこの国に存在していたことをありありと感じる。これまで帰国しなかったことを「運命」と答えていたけど、この重い運命を今、日本人全員がしっかりと受け止めなければいけない。

「再会できたのがすごい」

大学院生 田中 教之(29歳)

この前のフィリピンの件といい、世界中に元日本兵が生存しているのかもしれませんね。しかし、この元日本兵の方は親族と対面できて本当によかったと思います。戦争は国民の一人一人の人生に多大な影響を与えるものなんだと改めて感じました。

「三つ子の魂」

ポータルサイト勤務 高橋 明彦(31歳)

どこかの教授が言ってました。「20歳まで日本でいたのなら60年経ても普通は日本語を忘れない」と。きっと、想像を絶する「何か」があったんだろうと・・・全ては運命だったと語る上野さん。ウクライナに戻ると思うけど、彼の余生が落ち着いた幸せなものであることを祈ります。

 

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