村上世彰氏(46)率いる「村上ファンド」が、ニッポン放送(東京都千代田区)株の売買をめぐり、証券取引法違反に当たる不正な取引をした疑いが浮上し、東京地検特捜部が捜査を進めていることが1日、関係者の話で分かった。特捜部は、村上氏の任意での事情聴取を近く検討するとみられる。
村上ファンドは2003年3月からニッポン放送株を取得、同年6月末には約7.4%を保有する第2位株主になった。さらに04年4月までに20%超の株を買い進め、村上氏ら3人を社外取締役として選任するよう要求した。
昨年2月以降のライブドアによる買収劇では、キャスチングボートを握る存在として注目された。同年1月時点では約18%を保有していたが、2月末には3%台に低下。取得価格を大幅に上回る価格で売却し、約200億円の利益を得たとされる。
村上ファンドは、旧通産省を退職した村上氏が1999年に設立。不動産会社「昭栄」への敵対的TOB(株式公開買い付け)や、アパレル大手「東京スタイル」との委任状争奪戦などで、一躍有名となった。阪神電気鉄道株をめぐっては、過半数の取締役選任を同社に要求。阪急ホールディングスとの間で売却交渉が続けられている。
今年5月には運用拠点をシンガポールに移行。運用会社の投資顧問業の廃業届を提出した。
[時事通信(6月2日)より引用]
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