証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕された村上世彰容疑者が代表を務めていた「村上ファンド」に、日銀の福井俊彦総裁が1000万円を投資していた問題で、参院予算委員会は15日午後の集中審議で、福井総裁に参考人として出席を求めて質疑を行った。
自民党の中川雅治議員の「(投資した99年)当時の判断に甘さがあったのではないか」との質問に対し、福井総裁は「世間をお騒がせしたことを心からおわびする」と陳謝した。
そのうえで、福井総裁は「日銀総裁就任時の判断について、出資した1000万円は一任勘定で運用されており、投資信託と同じものと考え、解約する必要はないと判断した」と説明した。さらに、今年2月に解約を申し入れた理由について「村上氏が当初の志に沿った行動をとっているのか、必ずしも確信を持てないという気持ちが募ってきたためだ」と答弁した。
福井総裁の投資問題をめぐっては、政府・与党は問題視しない姿勢だが、野党側は辞任を要求しているほか、小泉純一郎首相の任命責任も追及する方針。また、与党内からも「脇が甘かったという印象は持っている」(公明党・神崎武法代表)などと、批判の声も出ている。
福井総裁がこれまでに得た運用利益の額や、総裁就任後も解約せずに出資を続け、今年2月に解約を申し出た理由などが審議の焦点になりそうだ。
[毎日新聞(6月15日)より引用]
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