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2006年8月2日号(毎週水曜更新)
 

ゆうちょ銀の資産は世界最大

 2007年10月の民営化に伴う日本郵政株式会社の事業計画の全容が27日明らかになった。
 収益見通しも08年度の税引き後利益で4280億円を見込むなどメガバンクに匹敵する高収益体質を目指す。「かんぽ生命保険」も08年度に770億円の税引き後利益を想定し、両社は民営化から遅くとも4年以内の2011年までの株式上場を目指す。ただ、今回判明した巨大郵政金融の姿に業務肥大化や民業圧迫といった批判が集まる可能性もありそうだ。
 事業計画は4子会社の資産や人員の概要、事業内容と日本郵政が希望する将来の新規事業の展開が盛り込まれており、31日に発表される。その後、政府の郵政民営化推進本部の了承を経て、正式決定される。
 事業計画によると、ゆうちょ銀は「既存業務のみでは、ゆうちょ銀行の上場に際して投資家から評価を得られないことも危惧(きぐ)される」とし、新規業務の「速やかな業務開始を希望」としている。具体的には、〈1〉郵便局での保険商品の窓口販売〈2〉預金の預け入れ限度額(現行1000万円)の廃止〈3〉住宅ローン、カードローン、中小企業向けビジネスローンの提供〈4〉信託銀行業務――などを挙げている。
 ゆうちょ銀行は既存業務だけでも2011年度に08年度を600億円上回る4880億円の税引き後利益を稼ぎ出す見通しだ。


[共同通信(7月28日)より引用]


「競争を作れるか」

大学教員 服部 圭介(28歳)

一気に業界最大手となる郵便貯金銀行・保険会社。これらが他の民間企業を駆逐するほど効率化が進めば「民業圧迫」と批判され、駆逐されるほど非効率経営をすれば「民営化の失敗」と批判されそうだ。完全民営化までに健全な競争を促せるかどうかを注視したい。

「無駄な巨大銀行」

情報誌+企画会社 高橋 明彦(31歳)

世界一の銀行(シティ)が28兆円。ゆうちょ銀行が…220兆円って(笑)。こういう資産があるから、政府は国家の赤字が771兆円(「借金時計」より引用)でも、のんびりしてるんだろうな、と。どっちにしろデカすぎる。こんな銀行、まさに「無用の長物」ですよ。

「競争力」

葬儀関連派遣社員 浅羽 祐治(35歳)

JTやJRと違って郵貯は圧倒的な存在ではない。バブルを経験して完全に塗り替えられた業界では、統合を繰り返したメガバンクが待ち受けている。世界最大の郵貯の社員達は、バブルを生き抜いた金融マン達に立ち向かえる競争力を持ち合わせているのだろうか。

 

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