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2003年2月12日号(毎週水曜更新)

電車間違い学生、受験セーフ

千葉県と東京を結ぶJR京葉線で3日朝、高校受験に向かう電車を乗り間違えた千葉県内の女子中学生(15)のため、ノンストップの快速電車を途中駅に臨時停車させる特例措置が取られた。動揺する中学生を心配した乗客たちの力添えもあり、中学生は試験開始にぎりぎり間に合ったという。

中学生は午前9時20分から始まる千葉市内の公立高校の入試を受けるため、午前7時45分ごろ、最寄りのJR蘇我駅から内房線で千葉駅へ行き、総武線上り電車に乗り換えて、隣の西千葉駅へ行こうとしていた。

ところが緊張のためか、蘇我駅で反対側ホームにいた電車に乗ってしまった。これが東京・八丁堀駅までどこにも止まらない京葉線上り通勤快速。都県境の舞浜駅近くに来たあたりで、乗り間違いに気がついた。

不安で今にも泣き出しそうな中学生から事情を聞いた周囲の乗客らが、親と話をさせようと携帯電話を貸したり、車掌と相談するため、満員の乗客の間を縫うようにして、中学生を最後部車両まで連れて行ってあげたりした。

申し出を受けた車掌からの連絡に、JR千葉支社も「若者の将来がかかっているのだから」と臨時停車を決め、車内放送で断ったうえで、午前8時10分過ぎ、電車を新木場駅(東京都江東区)で止めた。

車掌は乗客の安全のため、各車両のドアは開けず、中学生を車掌室からホームに降ろした。中学生は同駅の駅員に西千葉までの乗り継ぎ方法を教わると、すぐに下りの武蔵野線乗り入れ電車を使い、西船橋経由で西千葉へと向かった。通勤快速のほうは、その後、速度を上げて走ったため、京葉線のダイヤに乱れはなかった。

新木場駅には夕方、中学生の親から「おかげさまで娘も何とか試験開始に間に合いました」とお礼の電話があった。JR千葉支社では「今回の臨時停車はあくまで特例」としながら、「これで見事に受かってくれれば」と話している。

【編集長の目】
最近の電車の中は、誰が何をしても素知らぬふり。なのに、こういう美談が起こりうるという事実にびっくり。日本人もまだ捨てたもんじゃないんだと、嬉しく感じます。


「入試監督の立場から」
大学職員 石井涼子(23)
ちょっとずるいなと思った。仕事柄、入試監督をするんだけど、かなり遅刻して必死に問題を解いてる人がいる。この人達も特例を与えられて遅刻せず合格できたかもしれないよね。監督という立場上、入試の機会は全ての人に均等であって欲しいと思ってしまう。

「女子中生の気持ち」

大学院生 服部圭介(25)

乗り間違えに気付いた時のわずか15歳の少女が受けた衝撃と恐怖感、想像するだけで寒気がします。今までの努力、思い描いた高校生活、親や先生や友達への面目、全て思いが冷や汗と共に流れ崩れる。あな恐ろしい。救世主となった乗客とJR職員に、私からもありがとう。

「自分は頼れる大人か?」

フリー調査業(弁護士補助) 田中教之(26)

小さいころは「困ったときは大人が助けてもらえるもの」とい うのが頭にあった。いつだって、困ったときは近くに大人がいた。いつから大人は子供から頼りにされなくなったのか。このようなことがニュースになる事自体が、自分の責任のように感じた。

「わがままがひとつになった」
測量会社勤務 中崎 彰(29)
「人はみなわがままだ」by尾崎豊。働いてて腹が立つのはこれに尽きる。そんなわがまま集合体が、誰かのために動いたこのニュース。何だかW杯で感じたものに似てる。「日本人ってみんなイイ奴らさ!」って感じで元気出る。たまにはこういうのもないとね。

 

ニュース関心度合計(/20)

石井★★★★★
服部★★★★
田中★★★
中崎★★




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