中田、ドイツで代表引退 |
日本代表MF中田英寿(28)=フィオレンティナ=が来年のW杯ドイツ大会を最後に、事実上の代表引退を決意していることが8日、分かった。中田の最大の理解者である日本サッカー協会・小倉純二副会長(66)が明らかにしたもので、98年のフランス大会で鮮烈な世界デビューを飾った男は、3大会連続出場となるドイツ大会を自らの華やかなキャリアの集大成とするつもりだ。
98年のフランス大会、02年日韓共催大会。日本の顔として世界最大の祭典・W杯を彩ってきた中田が、来年のドイツにすべてを懸ける。「ドイツの次? 中田の場合、絶対にない。彼はすでにいろいろな方面に展開している日本サッカー界で唯一の存在。だからこそ、今回のW杯には絶対に行きたいと意気込んでいた」公私ともに10年来の親交を結び、最大の理解者の小倉副会長は語った。33歳で迎える08年南アフリカ大会への参戦はない。29歳というサッカー選手の円熟期で直面するドイツ大会を集大成とする。
トルシエ政権下の02年W杯直前、「W杯に出られなくても構わない」とイタリア地元紙のインタビューで語り、物議を醸した中田だが、今大会の予選突破と本大会での成功にかける執念はすさまじいものがある。セリエAに残留したフィオレンティナで、体調万全ながら昨季終盤に9試合連続で出場機会を失った。関係者によると、それでも中田サイドは「W杯前の移籍は絶対に避けたい」との基本方針。パルマ時代に確執の表面化したプランデッリ氏の新監督就任により状況は流動的になったが、理不尽な処遇を受けたフィオ残留以上に、新環境に適応しなければならないリスクを負ってW杯に影響が及ぶことを嫌っている。
中田も変わった。同僚と高い壁を作った不言実行の男が、周囲に徹底的なコミュニケーションを要求。同僚と主義主張をぶつけ合った。今月のバーレーン戦直前の練習中も「行ってねーだろ!」と福西をどなりつけた。
小倉副会長の言葉通り、中田の活躍の場はピッチ内にとどまらない。日韓W杯中にはサポーターの集うカフェを開設。菓子メーカー「東ハト」の取締役にも就任。所属事務所の株主でもあり、高円宮妃殿下とメール交換をするほどの関係も築いている。33歳の時点でピッチの第一線から退いている可能性も。ジーコ・ジャパンとともに、中田がドイツで花道を飾る。
◆代表引退
世界では代表の中心選手が自ら「代表引退」を宣言、代表引退試合を行うことが一般化している。ブラジル代表FWロマリオ、チェコ代表MFネドベド、フランス代表MFジダンら。ポルトガル代表MFフィーゴは04年欧州選手権後に代表引退したが、今年6月4日に復帰。日本では代表歴代1位の73得点を誇るFW釜本邦茂・現日本協会副会長が1977年9月14日、ペレがいたニューヨーク・コスモスを相手に、ペレの引退試合と同時に代表引退試合を開催したのが唯一の例。
◆変心ヒデ一緒に戦った
この試合に出られなくてもチームに帯同した。控えチームに入り全力でプレーした。主力選手へのアドバイス、ムード作りも積極的にやった。日本協会の川淵三郎キャプテンは言う。「今までのヒデだったらオレがやる必要ない、という感じだった。だが今はまるで違う。そういうのは見ていてうれしいし、選手にも伝わっている」
同キャプテンは7年前のW杯最終予選を思い出していた。加茂監督から岡田監督に代わった直後のウズベキスタン戦前に中田がスタメン組から外されたことだ。「それでも誰よりも本気で練習に取り組んでいた」と言う。だからこそイタリアで試合に出ていなくも心配はしなかった。「そういう練習の姿が、いざというとき生きてくるんだ」背中でメッセージを発信し続けた男は、ベンチ入りを直訴してまで、共有を望んだ。
俊輔らとともに、スタンドから仲間の勝利を凝視した。歓喜の輪にはあえて加わらず、淡々とした表情で控室へ消えた姿はやはり孤高。厳しいまなざしは、すでに本番のドイツへと向けられている。
◆落選から4年 俊輔喜び爆発
VIP席に陣取り、一戦一戦頼もしくなる仲間を強いまなざしで見つめた。終了のホイッスルが鳴ると、俊輔は誰よりも早くグラウンドに駆け下り、チームメートとハイタッチ。4年分の思いを込めて喜びを爆発させた。
ドイツは悔しさを晴らす舞台となる。02年W杯ではトルシエ監督下の代表から落選し、涙の会見。本大会中は韓国で過ごした。観光もせず、ホテルのジムで汗を流しながら「次」を見据えてきた。
そんな俊輔に、ジーコ監督が与えたのは背番号10。期待と信頼を背負い、欧州組では誰よりも多い29試合に出場した。昨夏はひざや足首にけがを抱えながらも欧州組でただ一人アジア杯に参戦して優勝。MVPにも輝いた。
3日のバーレーン戦前。ジーコ監督から「ここぞというときに力を出してほしい」と託された。スタンドで“戦った”北朝鮮戦。仲間と切り開いた道は、ドイツにつながった。魔法の左足は「ここぞ」の場面を待っている。
[スポーツ報知(6月9日)より引用]
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「カリスマ」 |
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葬儀関連派遣社員 浅羽 祐治(33歳) |
中田は代表入りした頃から、選手生活を通じてチームに果たす使命のようなものを背負っているように見えた。彼の中でどの程度それが果たせているのか。残された代表生活で、彼は勝敗以外の勝負に挑み、我々は彼がそれを成し遂げてしまうことを知っている。
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「期待が強すぎて」 |
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大学教員 服部 圭介(28歳)
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誰かとサッカー日本代表の話をすると必ず出てくるのが彼に関する論争。「中田がいない方が代表は強い」だとか「やっぱ中田が一番」だとか…。どちらも彼への期待が強すぎるからこその意見なのでしょう。期待に応える最後の働きをW杯でお願いします。
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「同じ日本人とは…」 |
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ポータルサイト勤務 高橋 明彦(30歳)
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ヒデなら自らの美意識に従って…さくっと引退するかも。特に最近のヒデは凄い。仲間を叱咤し、意見を戦わせ、本気で怒鳴る。嫌われることすら受け入れる。ただ、ひたすら「勝利」のために。そして勝利を得て、笑顔で抱きあう。冗談じゃなく見習いたいと思うね。
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