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2005年7月20日号(毎週水曜更新)

知床、世界自然遺産に登録

 南アフリカ・ダーバンで開かれている「国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)」の第29回世界遺産委員会で、14日午前(日本時間14日午後)、北海道・知床の世界自然遺産への登録が決まった。
 国内の自然遺産は、屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森、秋田県)に次いで3件目。海洋を含んだ国内の自然遺産は、知床が初めて。
 知床は北半球で流氷が接岸する南限で、豊かな海と原生的な半島の自然が織りなす生態系が評価された。遺産登録地にはヒグマが世界的にも高密度で生息し、シマフクロウなどの国際的希少種の重要な繁殖地や越冬地となっている。
 また、絶滅危惧(きぐ)種のトドが生息し、漁業資源であるスケトウダラをエサとすることから、自然保護と漁業の調和がせめぎあっている。
 同委員会は知床について、自然遺産の審査機関である国際自然保護連合(IUCN)の評価書を元に審査した。登録にあたっては、<1>海洋保護の強化<2>ダムの改善を含めたサケ科魚類の管理計画の策定<3>2年後に調査団を現地に招く――ことを要請した。登録地の面積は、沖合3キロまでの海域を含む7万1000ヘクタール。
 知床の特徴は、半島に接岸する流氷が生み出す海と陸の豊かな生態系。ヒグマは世界的にも高密度で生息し、シマフクロウ、オオワシなどの国際的希少種の重要な繁殖地や越冬地となっている。
 日本政府は2004年1月、知床の自然は、自然遺産の基準である「傑出した普遍的な価値」を満たしているとして、ユネスコに推薦していた。
 これを受け、04年7月、IUCN幹部が現地を調査した。その後IUCNは、海洋保護の強化や、ダムの撤去も含めた改善などを日本政府に要求した。
 政府が積極的な対応を約束したことなどから、IUCNは「登録が適当」とした評価書を5月末にユネスコに提出し、知床の登録が確実視されていた。
 今回、各国から推薦された遺産候補は自然遺産13、文化遺産34、複合遺産4の計51件。日本を含む21か国のユネスコ大使が審査した。  
 

[読売新聞(7月14日)より引用]


本当の保護を極める」
フリー調査業(弁護士補助) 田中 教之(29歳)
自然保護と特定動物の異常繁殖。自然環境の問題は別のステージに進んでいるようですね。数が少ないとか、かわいそうからという側面だけでは、問題は解決しないようですね。知床の保護をきっかけに新しい自然環境の対応策をアピールしてもらいたいです。

「いつまでも誇れるように」
派遣社員 前田 智美(25歳)
世界遺産として有名になると、観光客の増加で知床のウリでもある「秘境感」が損なわれるのでは。たんなる観光地化でなく、その名の通り「遺産」として大切にしていきたい大自然です。知床を「守りたい」「育てたい」という二つのバランスが崩れないように。

「知床ってすごいんだ」

大学職員 石井 涼子(26歳)

知床がそんなにすばらしいところだとは知らなかった。建築遺産としては、軍艦島、長崎の教会群や鞆の浦なども名乗りを上げている。世界に誇れる素敵な場所がたくさんあるので、最近忙しくて海外に行ってないけど、国内旅行だけで十分満喫しているな、私。

「祝福と心配 」

ポータルサイト勤務 高橋 明彦(31歳)

認定され、保護される事は素晴らしいです。廃墟になる遺跡、破壊され続ける自然など枚挙に暇がない。願わくばこの一連の活動が純粋に自然保護の視点からである事と、「自然保護」と「世界遺産(観光)」という矛盾に地元が潰れてしまわないことを祈ります。

 

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