米マイクロソフト(MS)が次世代家庭用ゲーム機「Xbox360」を今月十日、日本で発売する。来年にはライバルのソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)と任天堂も次世代ゲーム機を投入する計画で、三つどもえのゲーム機戦争が幕を開ける。現行機の国内シェア(市場占有率)で水をあけられたMSだが、次世代機は先行発売で雪辱を狙う方針だ。
≪「初日10万台」≫
Xbox360の売りは、高精細なハイビジョン映像とインターネットへの接続機能などだ。すでに十一月二十二日に米国で売り出され、日本での価格は三万九千七百九十五円(税込み)。十日の発売初日にはDVDや書籍販売レンタル店「SHIBUYA TSUTAYA」(東京・渋谷)で、午前七時の販売開始前からカウントダウンが行われる。
すでに大阪や名古屋、札幌、福岡では360の巨大モニュメントを設置するなど、広告宣伝を強化。初回出荷台数は明らかにされていないが、ゲーム出版社のエンターブレイン(東京都千代田区)は「発売初日は十万台をクリアする」と予想するなど“先行逃げ切り”を目指している。
現行機「Xbox」の十一月末までの国内累計販売は四十七万台(エンターブレイン調べ)。据え置き型ゲーム機のシェアとしては2%程度に過ぎない。SCEの「プレイステーション(PS)2」より発売時期が遅れたほか、「国内向けのゲームタイトルが少なかった」(関係者)ことが後手に回った原因だ。
このため、360では販売開始と同時にレースゲーム「リッジレーサー6」など六タイトルを発売。日本向けに「百以上のタイトルを開発中」(マイクロソフト日本法人の丸山嘉浩執行役)で国内向けゲームソフトを継続的に投入する。
≪あの手この手≫
MSの攻勢に対し、SCEは来年春、次世代ゲーム機「PS3」で対抗する。次世代DVD「ブルーレイ・ディスク」の採用や、IBMや東芝と共同開発したMPU(超小型演算処理装置)を搭載するなど360を性能面で上回るのが特徴だ。全世界で累計一億台を出荷した現行機PS2の対応ソフトも遊べるだけに次世代ゲーム機でも優位に立つとみられる。来年に次世代機「レボリューション(仮称)」を発売予定の任天堂は、テレビのリモコンのように片手で操作できるコントローラーを採用。高機能を売りにするMSやSCEと一線を画し、初心者も楽しめるゲーム機を目指す。
コンピュータエンターテインメント協会によると、平成十六年の国内ゲーム市場は前年比2%減の四千三百六十一億円だった。四年連続で市場は縮小しており、業界では次世代ゲーム機への期待が高まっている。
[産経新聞(12月7日)より引用]
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