ライブドアグループの証券取引法違反事件で、子会社（当時）による企業買収の虚偽情報公表などを主導したとして、東京地検特捜部は二十三日夜、同法違反（偽計取引、風説の流布）容疑でライブドア社長の堀江貴文容疑者（３３）ら四人を逮捕した。時価総額拡大を目標に不正な株取引を駆使した数々の「マネーゲーム」で膨張を続け、プロ野球参入やニッポン放送株の大量取得、衆院選出馬で社会的に注目された「ＩＴ寵児（ちょうじ）」が、逮捕される事態に発展した。
　ほかに逮捕されたのは、ライブドア取締役最高財務責任者兼ライブドアファイナンス会長の宮内亮治（３８）▽ライブドア取締役兼バリュークリックジャパン（現ライブドアマーケティング）社長の岡本文人（３８）▽ライブドア執行役兼ライブドアファイナンス社長の中村長也（おさなり）（３８）−の三容疑者。
　特捜部は同日午後から堀江容疑者を初めて事情聴取し、違法性の認識や指示の有無などを確認していた。ライブドアをめぐっては、本体の粉飾決算や偽計取引疑惑が浮上しており、特捜部はこうした一連の疑惑の解明には堀江容疑者らの逮捕が不可欠と判断した。 　関係者によると、堀江容疑者は容疑を否認したとみられる。宮内容疑者もこれまでの聴取に事実関係については認めたものの、違法性を否定していた。
　関係者によると、堀江容疑者は容疑を否認したとみられる。宮内容疑者もこれまでの聴取に事実関係については認めたものの、違法性を否定していた。
　調べでは、堀江容疑者らは共謀のうえ、バリュー社が平成十六年十月、出版社のマネーライフ社を株式交換で子会社化する契約を結んだ際、ライブドアが実質支配する投資事業組合を使ってマネー社を既に買収済みだったのに「資本関係はない」などと虚偽の発表をした。
　さらに翌十一月、バリュー社の十六年第三・四半期（一−九月）決算短信で、経常損失を七千二百万円の経常黒字などと虚偽発表。バリュー社の株価をつり上げるなどの目的で偽計を用いて風説を流布した疑い。
　この間にバリュー社株の百分割を実施し、株価をつり上げ、株式交換でバリュー社株を取得した同組合は約八億円の売却益を得ていた。その大半がライブドアに還流された。
　いずれの工作もＭ＆Ａ（企業の合併・買収）を統括する宮内容疑者が計画を立案、堀江容疑者が了承し実行を指示したうえで、岡本容疑者らが具体的に実行していた。決算短信の虚偽発表では、堀江、宮内両容疑者が十六年六月にバリュー社の粉飾工作を協議していたことが判明している。
　このほか、ライブドア本体が十六年九月期決算を粉飾したり、五件の企業買収でマネー社買収と同様の手口の偽計取引を繰り返していた疑惑も判明しており、特捜部が捜査を進めている。 　
　

[産経新聞（1月17日）より引用]

大学職員　石井 涼子（26歳）

ポータルサイト勤務　高橋 明彦（31歳）

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ライブドア堀江社長逮捕