フィリピンのアロヨ大統領は24日、非常事態を宣言した。これに先立ち、治安部隊はクーデター計画を未然に防いだことを明らかにした。
非常事態宣言を受け、通貨ペソは23日終値の1米ドル=51.66ペソに対し、52.10ペソまで軟化している。マニラ株式市場も1.6%下落している。
フィリピンでは1986年にマルコス政権を倒した「ピープルパワー」記念日を控え、不正投票疑惑や汚職に対する不満から、アロヨ大統領に対するクーデターのうわさが広がっていた。
アロヨ大統領はこの日、録音したテープを通じ、テレビやラジオで「非常事態を宣言した」と語り、軍や警察に「十分な対応」を取る権限を与えたことを明らかにした。
警察はこの日予定されていたいくつかの政治集会の許可を取り消したほか、学校の授業は中止された。集会に向かっていた人々は帰宅を命じられたという。
しかし、それにもかかわらず、1986年のマルコス政権および2001年のエストラーダ政権打倒の拠点となった寺院には約1000人のデモ隊が集まり、平和的に集会を開いている。
オフィス街の交通量は平常通りで、治安が強化された雰囲気はないという。
一方、軍の責任者は、エリート部隊の司令官を、クーデターを企てた首謀者として拘束したと明らかにした。
[ロイター(2月24日)より引用]
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