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2006年9月13日号(毎週水曜更新)
 

遺体男子学生報道 実名・匿名分かれる

 山口県周南市の徳山工業高等専門学校5年、中谷歩さん(20)が殺害された事件で、殺人容疑で指名手配中に遺体で発見された男子学生(19)の氏名・顔写真の掲載について、新聞、放送などメディア各社の判断が分かれた。読売新聞、日本テレビ、テレビ朝日は実名・顔写真の報道に踏み切った。匿名で報道した放送局の中にも、写真にモザイクをかけて報道する社があった。事件は、少年事件報道のあり方にも一石を投じた。
 毎日新聞は8日、東京と山口県に本社を置く新聞・通信の8社と、NHKと在京民放キー局の6社に対し、男子学生の報じ方と判断理由について取材した。
 実名報道に切り替えた3社は「容疑者が死亡し、少年の更生を図る見地で氏名などの記事掲載を禁じている少年法規定の対象外となった」(読売)など、死亡によって更生・保護の機会が失われたことと「事件の重大性」「事件の凶悪さ」を理由に上げた。読売と日本テレビは、男子学生の年齢が19歳であったことも判断材料の一つにしたという。
 新聞・通信各社は、毎日新聞を含め、読売以外の社は「匿名で報道する原則を覆す明確な理由はない」(日本経済)などと匿名報道を維持した。共同と時事は「少年法の趣旨の対象外になった」との認識を示した。時事は「今後裁判で釈明する機会が失われていること」を匿名の根拠とした。
 一方、共同の配信記事を掲載した東京は「実名報道に切り替えることも考えられるという意見があった」と回答し、社内でも見解が割れたことを明らかにした。
 テレビではNHK、TBS、フジテレビ、テレビ東京の4社が「男子学生」(NHK、フジテレビ)▽「同級生の少年」(TBS)などと匿名報道を維持した。写真については、フジテレビとテレビ東京がモザイクをかけるなど画像修正して放送した。

[毎日新聞(9月9日)より引用]


「少年法を見直して」

大学教員 服部 圭介(29歳)

一方で被害者の情報は隅々まで明らかにされ、容疑者に関しては「指名手配」されているにも拘らず「匿名」という本末転倒な事態。「更生の機会を与える」ことが「更生を必要とする少年」を増やすかもしれないことも考慮して、少年法を全般的に見直して欲しい。

「命の意義」

葬儀関連派遣社員 浅羽 祐治(35歳)

自殺したことで罪を償い更生するという法の意義は失われた。実名報道してもその意義は取り戻せず、家族親族への社会的制裁にしかならないだろう。それでも実名報道が罪を自殺で解決することへの抑止力になるなら、被害者の命の意義のために行うべきだと思う。

「親権があるうちは」

大学職員 石井 涼子(27歳)

匿名でも良いと思う。親権があるうちは子どもの犯罪を「育て方にも問題あり」と家庭や学校に責任を追求できるだろう。その場合、実名で報道すると親が特定され、あたかも親が犯罪者のような位置づけにされかねない。それも気の毒かと。優しすぎかしら?

「視聴率」

IT系 平田 万貴(29歳)

実名報道をした会社でも、社内で意見が割れたにも関わらずなぜ実名報道に踏み切ったのか。その影には視聴率。世間の知りたいという欲求を充たすために激化する報道。しかし報道のが社会に及ぼす影響というものを考えて、慎重に事は進めて欲しいものです。

 

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