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2003年2月26日号(毎週水曜更新)

クローン羊、死す

死んだと発表された世界初の体細胞クローン羊ドリーは、誕生直後から短命の可能性を指摘されていた。6歳7カ月での死は、通常11〜12歳といわれる羊の寿命の半分だ。今後の調査でドリーの「早すぎる死」がクローン技術と関係していることが分かれば、クローン人間騒動にも大きな影響を与えることになる。

ドリーが1歳の時、細胞の染色体の中で老化に関連があるとされる「テロメア」が普通の羊より約20%短く、6歳の羊と同じ長さであることが分かった。テロメアは細胞が分裂を繰り返すと短くなるため、ドリーが細胞レベルでは老化の進んだ状態で生まれてきた可能性が指摘された。5歳半の時は、若い羊にはまれな脚の関節炎を患っていることが判明した。

ドリー誕生後、牛、マウス、ブタ、ネコなどの体細胞クローンが生まれているが、誕生直後に死んだり、奇形や障害を持つ例が相次いだ。昨年4月には、ドリーの「生みの親」のイアン・ウィルムット博士が、クローン動物すべての遺伝子に何らかの異常があるとする調査結果を発表。羊や牛は体が巨大化するほか、発育障害や肺の異常、免疫不全などが見られるとした。

ドリーは6歳の雌羊の乳腺細胞から核を取り出し、別の羊の未受精卵に移植して誕生した。乳腺細胞から誕生したため、豊かなバストを持つ米国人歌手、ドリー・パートンさんにちなんで名づけられたと言われている。

【編集長の目】
ドリーの死から、何を人間は学ぶんでしょうか?クローン技術、これ以上進んでいって欲しい部分もあるし、ここで終わって欲しくもあるし。微妙な心境ですよね。


「失敗を素敵な技術へ」
大学職員 石井涼子(23)
クローン技術、私は期待します。身近に不治の病に掛かっている人がいて、そういう病気を新しい技術がなんとか解決するんじゃないかっていう漠然とした期待感があるんです。なので、今回の失敗が素敵な技術に変わっていくことを願ってます。でも人道は外さずに。

「行ける所まで。」

ポータルサイト勤務 高橋明彦(28)

大人の細胞から育てたから細胞年齢は大人から始まるのでは?…とか勝手に予想したりしますが。そんな簡単ではないにしても研究初期に不具合は必然。ここまで来たら完璧目指して突き進んで欲しい。見た事の無い「神」の領域にしばられるのはナンセンスです。

「神の領域も近い?」

ソフトウェア開発会社勤務 青木泰子(30)

6歳の羊の細胞の核を使ったから、6歳の状態で生まれてきたのか?テロメアが老化に関係あるなら、それを研究していけば不老不死も夢じゃない?など、興味は尽きない。でも、そんな技術は必要ないよ。人間、枯れていく自分を見届けてナンボでしょう。

「クローンは未来のもの」
フリー編集者 大塚ゆきゑ(30)
ドリーは老化の進んだ状態で生まれたのでは?と言われている。じゃあクローン人間の場合、おっさんが股から出てくるということなのか。たくさんの体細胞クローン動物が生まれても私の中では未だ現実味がなく、クローンについてこんな疑問しかわかなかった…。

 

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