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2003年10月15日号(毎週水曜更新)

野生のトキ絶滅

 「いつか、こういう知らせを受けなければならないと覚悟はしていたが……」。「絶滅」のふちに立たされ、「種」の命脈を一身に担い続けてきた「キン」が静かに息を引きとった10日朝、佐渡島の関係者たちの間から深いため息が漏れた。
 国内で産まれ育った日本産トキの最後の1羽だったキンが、推定年齢1歳前後から保護センターで生きた歳月は約35年。人間の100歳以上という高齢まで命をつないだその生涯は、「種の保存」という営みの重さと「環境の保護」の大切さを訴え続けた。
 「本日午前7時20分、日本の野生産最後のキンについて、死亡しているのを確認しました」。新潟県庁で10日午前10時45分過ぎから始まった記者会見で、県民生活・環境部の中原義行部長が緊張した面もちで切り出した。
 キンは10日午前6時ごろ、モニターで動いている姿を確認されたが、1時間20分後に倒れているのが見つかった。体重は、元気なころより300グラム軽い1・5キロ・グラム。足腰が弱っていたが、食欲はあった。9日までは、1日約200グラムの馬肉などのエサを食べていた。
 今年2月下旬、体調を崩し、立ち上がることができなくなったものの、国の医療チームの治療で3月には持ち直した。最近も食欲が落ちていなかったため、「まだ、危機的とは受け止めていなかった。驚いている」と中原部長は声を落とした。


[読売新聞(10月10日)より引用]

【編集長の目】
残念。しかし、トキはここまで騒動になるけれど、人知れず絶滅の危機に瀕している動植物はたくさんいます。そう考えると、人間としてとても申し訳ない気持ちです。これらの問題の為に私達が出来ること、ゴミの分別だったり、省エネだったりを、しっかりしたいです。


「『種の保存』狂想曲」
ポータルサイト勤務 高橋明彦(29)
自ら絶滅に追い込んだ種なのに莫大な金と時間を賭けて最後の炎を守る為に奔走する…このニュースはある意味滑稽極まりない自らを見つめるいい機会だと。もし多少なりとも世界の方向が変わるなら…トキはその使命を真っ当できたのかもしれないです。

「今後に活かして!」

フリー調査業(弁護士補助) 田中教之(27)

寂しい結果。小学校の時に「トキは日本に2羽しかいません。」と習っていたのが懐かしい。でも、ある意味今まで生きていたのは、科学の発達と、日本人が環境を整えた結果だと思う。気持ちを新たに、そのノウハウをこれから生かして欲しい。

「トキに国境は関係ない」

葬儀関連派遣社員 浅羽祐治(32)

絶滅に瀕している動物を保護するのは、支配者である人の罪に対して唯一可能な罪滅ぼしです。トキには中国も日本もないはず。数を確保するには、まず野生種のいる中国の方が望ましいように思います。もちろん佐渡の保護センターの協力も必要ですよ。

「人類への警告」
ソフトウェア開発会社勤務 青木泰子(30)
公共広告機構のCMを思い出す。日本で絶滅危機にある動物の象徴でした。生態系というものは複雑なほど安定し、単純なほど壊れ易いそうです。つまり種の保存は単なる動物愛護ではなく人類の生存に関わる問題で、種の減少や絶滅はその警告に当たるのでしょう。

 

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