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2004年2月4日号(毎週水曜更新)

青色LED、200億円支払い命令

 「ノーベル賞級の発明」とされる青色発光ダイオード(LED)を開発した米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授(49)が、開発当時勤務していた日亜化学工業(徳島県阿南市)に特許権譲渡の対価の一部を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、200億円の支払いを命じた。
 判決は特許の相当対価を総額約604億円と算定した。しかし請求額が200億円(印紙代は約4000万円)のため、その限度で支払額とした。
 三村量一裁判長は「個人的能力と独創的発想で産業界待望の世界的発明を成し遂げた全く稀有(けう)な事例。教授の貢献度は少なくとも50%を下回らない」と高く評価した。
 職務発明の相当対価をめぐる訴訟では、突出した過去最高の認容額。中村教授は当時、会社から2万円の報奨金しか受け取っておらず「知財立国」を掲げる日本政府や企業は技術者の権利保護や報奨制度の充実を強く迫られよう。特許法改正の議論にも影響しそうだ。日亜側は即日控訴した。


[共同通信(1月30日)より引用]

【編集長の目】
今の会社員は、会社が一生面倒を見てくれないのだから、もらえる時にもらいたい気持ちが昔よりかなり強いと思います。そんな時代背景の中、この判決はむしろ当然に受け止められました。


「技術追求と金のバランス」
システム開発会社勤務 大石誠(29)
「コンパクトディスクを発明した人の名前を知ってるか?」以前人から聞いた話だが、現代はエジソンやベルのように個人で発明をする時代ではない。青色LEDを作れなくても会社から保証されていた訳だから、訴訟を起こすなら最初から一人で研究するべきでは?

「自分と企業のために」

プロバイダー会社勤務 前田智美(24)

企業あってこその研究、企業あってこその発明。たった一人で全てやってのけたわけではないけれど、やっぱりそれなりの報酬が欲しいものです。しかし、200億とは!全国の研究者たちの胸は踊り、企業は冷汗ものの判決ですが、いい方向に影響してほしいです。

「サラリーマンの憂鬱」

葬儀関連派遣社員 浅羽祐治(32)

大手メーカーで技術者をしている義兄に社内での研究について聞いてみたことがある。大発明でステイタスを上げたり報酬を得たりする社員はほとんどなく、どんな研究成果も所属部署単位でしか認められない空気があると言う。「会社人」に個性はいらないのか。

「明朗会計」
大学院生 服部圭介(26)
ノーベル賞級の発明に対し2万円の報奨金で済ませていたという事実に「日本は社会主義ならぬ会社主義だ」と いう言葉を思い出す。今回の判決は至極当然なもの。200億を払っても会社には利益があり、そして社会も恩恵を受けているわけですから。

 

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前田
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