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2004年2月25日号(毎週水曜更新)

黄色いハンカチ運動

 山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」をヒントに、イラクに赴く自衛隊員の安全を願って全国に広がっている「黄色いハンカチ運動」について、山田監督は20日、「映画のハンカチは夫婦愛の証し。戦争に行く兵士の無事を願うこととは本質的に違う」と強い違和感を示した。運動を展開している北海道・旭川商工会議所(高丸修会頭)は「善意の運動なのに」と困惑している。
 毎日新聞の質問に山田監督は文書で回答し、「自衛隊員を派兵する町で、黄色いハンカチが見送りに使われるのはとても気になる。イラク派兵が憲法違反ではないかという重要な論点が消えてしまうのが不安だ」と訴えた。
 山田監督のコメントに同会議所の串橋佐吉事務局長は「善意で始めたことで商売にしているわけではない。理解してほしい」と話している。

 運動は自衛隊OBの提案で始まり、50センチ四方のテトロン製の生地を同会議所が1枚100円で仕入れ、希望者に同額で配っている。旭川駐屯地など旭川市内各所に黄色いハンカチが掲げられ、東京、大阪、名古屋などからも約1万2000件の申し込みがあった。
 自衛隊員の妻の反応は賛否さまざま。留萌駐屯地(留萌市)の派遣隊員の妻は「精神的に参っていたが、ハンカチに心が癒やされた」と語る。派遣要員になっていない隊員の妻(36)=旭川市=は「国の命令で背中を押されてイラクに行く夫の同僚たちの心を思うと、ハンカチは無言の圧力になる。安易にハンカチを掲げるのは許せない」と批判する。


[毎日新聞(2月20日)より引用]

【編集長の目】
善意からの運動だけに判断は難しいところ。「何かしたい」という気持ちはわかります。しかし、当事者やその家族の気持ちは大切。当事者が嫌がっているのであれば、別な方法を模索するのも手ではないでしょうか


「象徴としての免罪符?」
ポータルサイト勤務 高橋明彦(29)
少し怖いな…これが率直な感想。何か象徴的なモノを掲げる事で正常な判断力や批判をできない雰囲気をかもし出してるような…昔の出兵の万歳や千人針みたいに。命が関わる問題に雰囲気や勢いを出すのは止めよう。極めて冷静に。

「たとえ善意だとしても」

プロバイダー会社勤務 前田智美(24)

私は、「ハンカチは無言の圧力」という意見に1票です。もし、自分の大切な人がイラクに派遣されることになったら、黄色のハンカチ掲げている場合じゃない!だろう、きっと。イラク派遣という問題の本質は、お涙頂戴的なもので片付けることはできない。

「色を変えてでも」

大学院生 服部圭介(26)

派遣の決定と違い、この運動は安全を願う気持ちを何らかの形で表したいという思いの自発的な具体化であって強制されたものではない。なので私は賛成。山田監督が嫌だと言うならハンカチの色を変えてでもこういう意志表現の運動は続けてほしいと思う。

「どの意見も賛同しかねる」
ソフトウェア開発会社勤務 青木泰子(31)
強い違和感を示す山田監督。善意の運動と言う商工会議所。許せないと息巻く派遣要員でない隊員の妻。みんなそれぞれのイデオロギーで動いてる気がする。気持ちや願いよりも先に、思想を感じてしまうのだ。唯一派遣隊員の妻の言葉だけは真実味があると感じた。

 

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