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2004年8月25日号(毎週水曜更新)

サドル氏派、アリー廟から退去合意

 イラクのイスラム教シーア派指導者ムクタダ・サドル師の側近は20日、同師派民兵組織「マフディ軍」を、現在立てこもっている中部ナジャフの聖地「イマーム・アリー廟(びょう)」から退去させ、廟をシーア派最高権威、アリ・シスタニ師に明け渡すことでシスタニ師側と合意したことを明らかにした。
 AP通信によると、これを受けて民兵は廟から武器を撤去したという。
 暫定政府のアラウィ首相が19日、民兵の退去と解体を求める「最後通告」を出したのを受けたもの。民兵が退去すれば、廟での戦闘は回避されそうだ。
 ただ、この側近は、サドル師が民兵解体には応じていない上、民兵に戦闘継続を命じたとも述べており、退去が実現したとしても、今月5日から続く米軍やイラク治安部隊との戦闘がただちに終結する見込みはない。ナジャフ周辺では20日も迫撃弾が飛び交うなど戦闘が続いている。
 AFP通信によると、サドル師の代理人はこの日午前、シスタニ師の代理人と会談し、廟退去で基本合意。会談中、代理人が英国で療養中のシスタニ師に電話をかけ、廟の管理を引き受ける方針を確認したという。
 これについてイラク内務省報道官は同日、民兵がすでに廟から退去し、イラク警察が廟を制圧したと発表したが、米軍などはいずれもこの情報を否定。民兵は武器を撤去したものの、依然、廟の内部にとどまっていると見られる。
 イラク保健省の20日の発表によれば、米軍など多国籍軍やイラク治安部隊と民兵との交戦で、過去24時間に、ナジャフで77人、バグダッドで13人、バスラで1人が死亡。また、AP通信によると、バグダッドのサドル師派拠点「サドルシティー」では19日、戦闘で民兵、住民各5人が死亡した。


[読売新聞(8月214日)より引用]

【編集長の目】
連日のオリンピック報道の裏で、忘れてはいけないのはイラク情勢。ある意味、オリンピックより重大な事件が、さほどの扱いを受けず報道されている現状。イラクは現在、小康状態を保っているわけではないんです。私達自身で、改めて考えなければ。


「距離と時間と忘却」
ポータルサイト勤務 高橋 明彦(30歳)
五輪・甲子園・仕事・夏…日常に巻き込まれると、ホントにイラク問題は遠くなりにけり…と皆さんも思ってるのではないでしょうか?拉致もそう。覚えてます?ジェイキンス氏。まだイラクには自衛隊も派遣してます。平和まで関心は失わずにいたいものですが。。

「忘れてはいけない戦い」

大学院生 服部 圭介(27歳)

報道の焦点がオリンピックに移りつつある中で、私の中でも周りでも、イラクへの関心の急激な衰えを感じてしまうのが怖い。イラクは徐々にでも良い方向に進んでいるのか、いないのか。それさえもオリンピックにかき消されてしまっているような気がする。

「過酷な独立」

葬儀関連派遣社員 浅羽 祐治(33歳)

この戦闘のイデオロギーがわからなくなってきました。なぜそこまで戦うのか、何を求め、何を守っているのか。失われゆく命を超えるものがそこにあるのか。日本はこの戦いに参加しています。私たちは停まることのできない泥沼を見つめ続けなければならない。

「このまま最悪の結果に?」
ソフトウェア開発会社勤務 青木 泰子(31歳)
結局、シーア派民兵は退去せず、暫定政府による最後通告が出された。期限は残すところあと数時間。民兵側が武装解除しなければ一掃するとのこと。これが本当なら、明日の朝には全てが終わっているのかもしれない…。結局は武力で解決するしかないのだろうか。

 

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