ＮＨＫの海老沢勝二会長（７０）は２日の定例会見で、同局職員４人が総額９７０万円に上る着服・流用４件を行っていたと発表した。集金した受信料の着服もあった。４人は懲戒免職になったが、全額弁済したため刑事告訴していないという。７月から相次いで不祥事が発覚する異常な状況に、不正舞台にもなった紅白歌合戦の改革案も発表。海老沢会長は９日の衆院総務委員会に参考人招致されるほか、１１日午後（時間未定）には放送で視聴者に謝罪する。
　新たに発表された不祥事４件は、海老沢会長が就任した９７年から０１年の間に発生した。９７年１１月に処分があった１００万円は、取引銀行に対し、払い出し用の印章を不正使用して着服した。００年１１月処分の３００万円は、取引銀行の通帳を改ざんして着服。０１年４月処分の２００万円は、集金した受信料の一部を着服していた。同年１２月には、出向先の会社の経費約３７０万円を私的に流用したケースもあった。
　懲戒免職になった４人の所属先など詳細な情報については「昔の話であり、既に社会的制裁を受けている」と固く拒否。納得しない取材側と押し問答になる場面もあった。
　また、不祥事を積極的に公表していないことや、次々に不祥事が明るみに出ている状態について「全く公表していなかったわけではない。開示の対象になっている」と釈明した。だが、現実は開示請求があった場合だけ情報公開する形をとっており、隠ぺい同然という批判や自浄能力への疑問が強まることは必至だ。
　一連の不祥事について海老沢会長は「驚いた。まさかこういう事例があるとは夢にも思わなかった。痛恨の極み。全職員に高い倫理観を求め、研修の在り方を見直す」と苦渋の表情で話した。今後新たな不正が発覚した場合の進退の可能性については「明快にできない」と話したが、前代未聞のスキャンダル、お粗末な対応にどう責任を取るのか、注目される。

[日刊スポーツ（9月3日）より引用]

【編集長の目】 国民のお金で運営してるＮＨＫには、民法各局よりさらなる透明性が必要。しかし、現状としてはそれが逆になってしまっているように思えます。国民に、もっと気持ちよく受信料を払わせて欲しい。じゃなければ、年金のようにみんな払わなくなりますよ。ＮＨＫは今、岐路にあるように思えます。

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