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2004年11月24日号(毎週水曜更新)

中国で村上春樹が人気

 作家・村上春樹氏(55)の作品が、中国で爆発的な人気となっている。
 代表作の「ノルウェイの森」はこれまでに100万部以上が売れた。こうした「村上春樹(中国語読みでツン シャン チュン シュー)現象」を支えるのは、都市部の若い世代。急速な経済発展に伴って生まれた「小資」(プチブル)や「白領」(ホワイトカラー)にとって、今や村上作品は、必読の書だ。
 「村上作品の魅力は、簡潔で美しいユーモアあふれる文体はもちろん、孤独や空虚さ、退屈さを楽しむライフスタイルを読者に提供してくれる点にある」
 上海訳文出版社が刊行した「村上春樹全集」の翻訳を担当した林少華・中国海洋大学教授(52)(日本文学)は、「欧米でも翻訳されているが、中国での人気は世界一だ」と断言する。
 実際、1989年に林教授が初めて翻訳した「ノルウェイの森」をはじめ、これまでに「海辺のカフカ」(26万部)など、文集を含めて計27作品が出版されている。10万部を売り上げれば「奇跡」といわれる中国の出版界で、村上作品の人気は伝説的だ。作風をまねた若手作家も登場しつつある。今年前半には、女性作家が書いたとされる「ノルウェイに森はない」というパロディー本も出回った。


[読売新聞(11月20日)より引用]

【編集長の目】
日本人と中国人との差異を感じさせる事件・問題が多かったので、この現象にはなんだかホッとしますね。同じ本をおもしろいと思う感性があるんだ、と。こういう文化的交流を積み重ねていく事で、溝は埋まらないまでも、相互理解の為の「土台」が出来ればいいと思います。


「うーん不可解」
大学職員 石井 涼子(25歳)
私は村上春樹の小説が苦手。あの現代っ子の悶々とした世界観が気怠い。だから村上流行の中国を冷ややかに見てしまう。が、中国人にとっちゃ私の衛慧「上海ベイベー」好きも同じじゃないと言われそう。あれも都会の悶々女性を描いているし…。矛盾してる。

「日本語離れした文体」

大学職員 前田 智美(24歳)

日本語独特のドロドロした部分がなく、サラッと簡潔な文章で読ませる彼の作品は、中国語に翻訳されても、さほど印象は変わらないのでは?だから、彼特有のユーモアもそのままストレートに伝わり、彼の作品の持つ魅力がそのまま活かされていそうだ。

「ブームの背景」

ソフトウェア開発会社勤務 青木 泰子(31歳)

スシ詰め通勤電車での読書を欠かさない私ですが、村上春樹の作品は読んだことがありません。昔日本で流行ったときは、「読むことがステータス」という風潮に違和感を覚えたものです。中国でも同じような風潮がブームを後押ししているのではないでしょうか。

「村上春樹は世界共通」
フリー編集者 大塚 ゆきゑ(32歳)
村上春樹の小説はミッドセンチュリーの家具に似ている。少し古びた、独特の空気が漂う感じ。この世界にはまる人間が多いのは当然です。新刊がでたら必ず買う唯一の作家です。中国であろうと、どこであろうと売れるのは当たり前です。しかし、なんで今頃?

 

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