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2005年1月12日号(毎週水曜更新)

性犯罪者の再犯防止制度

 警察庁は6日、性犯罪者による再犯を防ぐため、性犯罪の前歴者の居住地を全国の警察が把握できる制度を新設する方針を明らかにした。
 奈良市の小1女児誘拐殺害事件で、女児への強制わいせつの前歴がある容疑者が逮捕されるなど、悪質な再犯が相次いでいることを受けた措置。近く法務省などと協議に入る。
 同庁の漆間巌長官が同日の会見で公表した。漆間長官は、この日の国家公安委員会で、複数の委員から「性犯罪の前歴者の情報を地域住民にも提供すべきだ」との指摘を受けたことも明らかにした上で、「住民への情報提供は人権上の問題があるため慎重に考える必要があるが、警察として、前歴者がどこにいるのか把握できる仕組みは早急に構築したい」と語った。
 同庁によると、この制度の対象として検討しているのは、強姦や強制わいせつといった性犯罪で実刑判決を受けて服役後に出所した者や執行猶予中の者。
 2001年10月から始まった「出所情報通知制度」では、犯罪被害者が加害者の出所後の居住地域などを知ることが可能になったが、あくまで被害者への報復を防止することが目的で、警察が、性犯罪の前歴者の動向を正確に把握する制度は整備されていなかった。
 同庁は同時に、性犯罪で服役している受刑者に対し、他の刑法犯とは別に、専門の矯正プログラムを準備するよう法務省に働きかけたい、としている。


[読売新聞(1月6日)より引用]

【編集長の目】
最近特に、社会的弱者を狙った犯行が多くなってきたように感じる。加害者の人権問題もあるだろうが、弱者を守るシステム構築は急務。警察には、時代の流れに先手を打つ対策をお願いしたい。


「期待と不安」
大学職員 石井 涼子(25歳)
他者の目を頼りに更生できる人もいれば、居住地を知られているという状況が逆に性犯罪者の精神を追い込む場合もある。一長一短だけど女性として安心できる制度だ。しかし、たまに耳にする警察の犯歴漏洩事件がひっかかる。安心できる運用がなされるかは疑問。

「刑罰の意味とは」

大学院生 服部 圭介(27歳)

この議論を聞いていると、そもそも「刑」とは何なのかという疑問が浮かんでくる。「更生したら刑務所を出る」これが基本だと思うのだが、実際は「何年刑務所にいたら出る」というシステム。これでは犯罪者の居住地を公開したところであまり効果ないと思う。

「都道府県警の存在意義」

フリー調査業(弁護士補助) 田中 教之(28歳)

警察は管轄だけを気にする必要はないと思う。ネット犯罪が増え、人が流動する中、もっと現場が広域に活動できる仕組みを作って欲しい。今回の奈良の事件も、全国の性犯罪者リストを容易に検索できれば、もっと早く被疑者があがったかもしれないのに。

「もっとも憎むべき犯罪」
ソフトウェア開発会社勤務 青木 泰子(31歳)
犯人を早期逮捕するためにぜひとも必要。でもこの制度が役に立つのは犯行が行われた後のこと。それよりも犯行前に何とか予防できないものなのでしょうか。市民が閲覧できるようにするといろいろと問題があるので難しいところだが、何らかの予防策がほしい。

 

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