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2005年3月9日号(毎週水曜更新)

「ちびくろ・さんぼ」復刊へ

 ロングセラー絵本として親しまれながら、人種差別的との批判を受け、絶版になったままだった岩波書店版「ちびくろ・さんぼ」が別の出版社から来月復刊されることが2日分かった。
 新たに版元となる「瑞雲舎」(東京都港区)には、書店からの注文が相次いでいる。
 「ちびくろ・さんぼ」はイギリスのヘレン・バンナーマンが19世紀末に執筆。ジャングルでトラに脅された黒人の子供が、機転を利かせて危機を切り抜ける物語で、日本でも数十種の翻訳が出たが、中でもフランク・ドビアス絵の岩波書店版(1953年発売、光吉夏弥訳)が決定版として100万部以上売れた。
 しかし88年、内容が「黒人差別を助長する」といった批判が市民団体などから起き、各社は相次いで絶版処分を決定した。
 その一方、詩人の谷川俊太郎さんが「作品の力を認めたうえで、差別を考える教材として残してもよいのではないか」と発言するなど、絶版は性急過ぎたとの意見もあり、検証本の出版やシンポジウムで議論が重ねられ、99年には著者の絵を用いたオリジナル版(径書房)も出た。
 瑞雲舎の井上富雄社長は、「他の絵本と比較しても文章表現に差別は見あたらないと思う。絵がきれいで親しまれた岩波版は、次世代に残す必要がある」と話している。岩波版で収録された二話のうち、さんぼを追いかけたトラがバターになる結末で有名な一話目だけ、ほぼそのままの形で収録した。


[読売新聞(3月3日)より引用]


「衝撃の本」
フリー調査業(弁護士補助) 田中 教之(28歳)
なぜ、虎が走り回ってバターになるのか?4歳の時の私は、もの凄く疑問だった。いろいろ調べて、虎はバターにならないということがわかり、絵本はウソしか書いていない!と偏見をもった。でも、強烈な話の内容で、今でも覚えています。また読み返してみたいなぁ。

「私も昔読んだけど」
ソフトウェア開発会社勤務 青木 泰子(32歳)
この絵本が差別的かどうかは読み手しだいだと思う。正解はないだろう。今、私が読んでも「サンボかわいい」とか「なっ、なぜバターに?」などの感想しかない。でも子供に読ませることで何らかの間違った先入観を与えてしまうかもしれない。絵本だけに難しい。

「タイトルがNGだったの?」

派遣社員 前田 智美(25歳)

私が「黒人差別」の存在を初めて知ったきっかけが「ちびくろさんぼ」の絶版。「色の黒い人は差別されるんだ!」というショックを幼心に感じました。話の内容には差別表現が見つけられず「何で?」って思いましたが。今読めば、また新しい見方が発見できそう。

「差別は作るもの」

iモードコンテンツ会社勤務 斎藤 滋(26歳)

「××が差別的である」と定義することで、差別意識が生まれるのだと思います。妙に神経質になって、腫れ物に触るかのような過剰な姿勢が、子供には"何か"を感じさせ、××は差別すべき対象であると逆説的に勘違いさせてしまうのではないでしょうか?

 

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