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2005年8月31日号(毎週水曜更新)

「謎のピアノマン」は芝居?

 英国南東部の海岸で四月に保護され、「謎のピアノマン」として世界的に話題となった身元不明の男性は実はドイツ人で、芝居をして医師らをかついでいた、と二十二日付の英大衆紙デーリー・ミラーが報じた。報道を受け、ドイツ外務省は同日、名前は明かさなかったものの、この男性がドイツ南部バイエルン州出身の二十歳で、今月二十日にドイツに帰国したことを確認した。
 同紙によると、看護師が二十日にこの男性に面会し、「今日は何か話してくれるか」と尋ねたところ、男性は「はい。話します」といきなり答えた。保護されてから約四カ月間、何も話さなかった男性がついにわれを取り戻したと看護師はあぜんとしたという。
 ところが、男性はそれまでも話すことができなかったわけではなく、自分はドイツ人で、「父はドイツで農場を経営し、姉妹が二人いる」とちゃんと話した。パリで仕事をしていたものの、職を失い、ユーロスターで英国に渡って自殺しようとしたところを警察官に保護されたとも明かした。
 男性は保護された直後、ペンと紙を渡されてグランドピアノの絵を見事に描いたが、それもとっさに思いついたまでのことだった。礼拝堂のピアノでクラシックの曲を弾き続けたというのは間違いで、実際は一つの鍵盤をたたき続けただけで、男性もピアノがうまくないと認めたという。
 病院では当初、記憶喪失とみて音楽療法や絵画療法を試したものの、効果はなく、その後は自閉症の兆候もあるとみて治療を続けていた。自殺しようとした際に背広や靴から身元確認につながるようなラベルをすべてはがしていたことも自閉症と関連があるとされたが、それも男性の策略だったとされる。
 病院では「悪ふざけと思えるようなところはまったくなかった」と語るものの、むだな治療に多額の費用がかかったとして男性を訴えることも検討しているという。
 

[産経新聞(8月23日)より引用]


「こんなオチでいいのか」
サッカー新聞社勤務 斎藤 滋(27歳)
“演技”なのはわかっていた。だからこそ、ショウビズ的陰謀を期待した。CDデビューを心待ちにしていた(買う気はなかったけど)。あんなに周りが面白がったのに、このオチはないでしょう。ピアノが上手いと言い出した人、責任とって面白い企画をして!

「心」
葬儀関連派遣社員 浅羽 祐治(33歳)
彼だけが変なのでなく、彼だけが悪ふざけしているのでもなく、人は誰も説明の付かない心を抱えているのだと思った。欲望や矛盾した心を理性で律し、ひとつの演技を世に示して我々は生きている。理性がふと崩れて、嘘や狂言を吐くことは誰にもある。

「振り回されました」

大学教員 服部 圭介(28歳)

マスコミって不確かな情報を簡単に真実のように報道するもんだ。正直、記憶喪失だろうが芝居だろうがどっちでもいい。それよりいいかげんなマスコミに怖さを感じる。だって6時のニュースなんかでもやってたんだよ。「彼に」というより「マスコミに」振り回された。

「世界が「彼」を吊るし上げる」

ポータルサイト勤務 高橋 明彦(31歳)

どのメディアでも一様に「騙されちゃいました!すいません!」という台詞や謝罪を苦笑いで伝えてました。彼が誰であれ、見世物扱いの「世界の」マスコミの無節操さに、僕らが怖さを確認する良い事件かと。既にTV的には世界は小さく、逃げ道は無いようです。

 

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