新入社員の保守化・安定志向が強まっている――。財団法人「社会経済生産性本部」が実施した若者意識アンケートで、こうした傾向が浮かび上がった。同財団が実施する春と秋の新入社員研修の参加者を対象にアンケートをしており、秋の研修参加者のうち537人から回答を得た(回収率48.3%)。
「今の会社に一生勤めようと思っている」のは25.6%で、前年同期比8.1ポイントの増加。一方、転職する際の決め手として「仕事のやりがい」を1位に選んだのは同8・2ポイント減の56.0%で、3年ぶりに6割を下回った。「給料」としたのは同3.2ポイント増の25.0%で、3年連続で上昇し、転職志向は弱まったものの、転職する際には「やりがい」より「カネ」を重視する傾向が出てきた。
「業績や能力が大きく影響する給与システム」の希望者は64.0%で、前年同期比0.3ポイント減、「仕事を通して発揮した能力を基に評価され、昇格に差がつくような職場」の希望者は3年連続減少の69.0%となり、過半数が能力主義的な処遇を望んでいるものの、その傾向は弱まってきた。さらに、「仕事の成果で評価されることを前提に、時間・場所などを自由に選べる職場」の希望者は29.9%で、この設問を始めた98年春以降では初めて3割を切った。
[毎日新聞(12月22日)より引用]
|