2004年度に各家庭(家計)が手取り収入から貯蓄に回した割合が2・8%と、統計を取り始めた1955年度以降で最も低くなったことが、内閣府のまとめでわかった。
賃金やボーナスが伸び悩んだ上に、高齢化が進んで貯蓄を取り崩して生活費に充てる老人世帯が増えているためだ。
景気は05年以降上向いてきているが、団塊世代の大量退職が07年から始まるため、家計貯蓄率はさらに低下する可能性もある。
内閣府が13日発表した国民経済計算(確報)によると、所得から税金や社会保障費を引いた家計の可処分所得は、前年度より0・2%減の286兆7000億円となった。
一方、消費支出は1・7%増加し、可処分所得から貯蓄に回した割合(家計貯蓄率)は7年連続で低下し、ピークの1975年度(23・1%)の8分の1以下に減った。
貯蓄率が低下して預貯金が減ると、企業の設備投資に充てられる資金が日本全体として縮小する。国債の消化も国内資金だけでは難しくなるとの指摘もあり、高齢化による貯蓄率低下が、日本経済の懸念材料にもなりかねない。
同じ調査では、04年の日本の人口1人当たり名目国内総生産(GDP)がOECD(経済協力開発機構)加盟国中11位と、21年ぶりにベスト10から外れたことも分かった。
[読売新聞(1月13日)より引用]
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