芸術家の岡本太郎さん(1911〜96年)が1960年代末、原爆投下をモチーフに制作した巨大壁画「明日の神話」の修復作業が終了し、6日、愛媛県東温市で報道陣に公開された。
壁画は縦5・5メートル、横30メートルで、大阪万博の「太陽の塔」と同じ時期の68〜69年に制作された。岡本さんの反核のメッセージが込められ、ピカソがファシズムへの怒りを描いた大作「ゲルニカ」の“原爆版”とも称されている。
「岡本さんの最高傑作」と評価は高かったが、完成後、一時所在不明になり、2003年夏、メキシコ市内でバラバラの状態で見つかった。修復作業は昨年7月から東温市内で、絵画修復家の吉村絵美留さんらの手で進められていた。
「明日の神話」は、岡本太郎記念現代芸術振興財団(東京・港区)が所有、管理し、生誕100年にあたる2011年をめどに常設展示の場所を決める。
「明日の神話」は7月8日から8月31日まで、東京都港区の日テレプラザで一般公開される。
[読売新聞(6月6日)より引用]
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