点数化ニュースサイト
2006年11月29日号(毎週水曜更新)
 

井の頭公園で路上表現が許可制に

 週末ともなれば、弾き語りやマジックなどの路上パフォーマンスであふれる東京・井の頭公園で、来年1月から、こうした活動に事前の許可が必要になる。
 公園内の無許可占有は都市公園法などに違反するとして、公園を管理する都が、初めて導入を決めた。
 都は「締め出すのではなく、一定ルールの下で活動してもらおうということ」と説明するが、審査に合格する必要がある上、登録料の負担も生じるため、“芸術家の卵”たちからは「自由な表現活動の場が奪われるのでは」と不安の声が出ている。
 木漏れ日の下でバイオリンをひいたり、路上に自作の絵画や写真を並べて販売したり。井の頭公園は、こうした路上アーティストたちの聖地とされる。3年前にメジャーデビューを果たした歌手のあさみちゆきさん(28)も同公園出身。5年前から弾き語りを続けてファンを増やし、「井の頭公園の歌姫」と呼ばれた。公園を管理する都西部公園緑地事務所によると、あさみさんのような成功を目指すアーティストは、多い日で100人以上集まるという。
 しかし、本来、公園内で許可なく物品を販売したり、集会や展示のために敷地を占有したりする行為は都市公園法などで禁じられている。これまで都は、他の多くの公園同様、こうした活動を“黙認”してきたが、2017年に同公園が開園100年を迎え、各種イベントが目白押しとなるのを機に「違法状態を回避する策」を検討、事前許可制の案が浮上したという。
 来年から、事前に都に活動内容を記した申請書を提出させ、審査を通過した人にのみ、登録証を発行。登録料として年間1万円前後を徴収する予定だ。
 同事務所は「露店など明らかな営業行為でなければ許可する予定。芸術活動の妨害ではない」と強調する。しかし、自分で撮影した写真を園内で展示販売している武蔵野市の男性(46)は「芸術か否かを、誰がどう判断するのか。芸術を理解する人が審査側にいるのか」と不安を漏らす。ギャラリーなどを借りるお金のない芸術家の卵にとっては、登録料も大きな負担だ。
 都は、02年から審査に合格した大道芸人にライセンスを与える「ヘブンアーティスト制度」を実施しているが、「活動全体を許可制にするのは都立公園では初めて。全国でも珍しいのでは」としている。

[読売新聞(11月20日)より引用]


「行政の対応に期待」

大学院生 田中 教之(30歳)

確かに、なんでもOKだといろんな問題が起きるので許可制がいいと思います。ただし、路上パフォーマンスする内容を行政がしっかり理解できるか。恣意的な判断で不許可となると、逆に効果につながると思います。行政の体制をしっかり整えて欲しいですね。

「芸術は自由なもの」

IT系 平田 万貴(30歳)

公園を管理する立場として、許可制にしたのはいい案かもしれないが違反した場合の罰則規定や、どこまで管理者に権限があるのか。そもそも芸術は自由なもので、法律や規制で管理するのは難しい気がする。管理する立場の人にとっては、これからが大変な時かもしれませんね。

「意外と面白くなるかも」

大学職員 石井 涼子(27歳)

値段が高い、手続きが億劫だ。これだけ敷居が高くなると普通の芸術家や音楽家は別の場所に逃げるだろう。となると、この申請をくぐり抜けて、井の頭公園でパフォーマンスする人は、かなりハイレベルかすごく変わった人なのかも。意外と粒ぞろいで面白いかも!

「ナンセンス」

葬儀関連派遣社員 浅羽 祐治(35歳)

「誰も理解しないかもしれないけど、これがオレの芸術さ」というエゴと無鉄砲さが路上パフォーマンスの真髄だと思う。そこに「都の許可」が介在するのは淋しい限り。「誰も許可しない芸術を私が許容する」ところに鑑賞の醍醐味もあるのだと思う。

 

ニュース関心度合計(/20)


田中
★★★★★
平田
★★★★★
石井
★★★★★
浅羽
★★★★




  週レビのルール

●週刊レビューはニュースを点数化するサイトです。一週間に起こったニュースから、考えてみたいニュースを週レビ編集長が5つピックアップし、レビュアーがそれに対して、関心が高いニュース順に5点から1点までで、採点していきます。つまり総合点が一番高いニュースは、その週、一番考えてみたいニュースということになります。


★★★★★
★★★★
★★★★★
★★★★★
★★★★

関心高い



関心低い

※点数は持分制。
つまり二度、3点などをつけてはいけない。

<例>

項目
news1 5点 4点 9点
news2 3点 5点 8点
news3 1点 1点 2点
news4 2点 3点 5点
news5 4点 2点 6点


その他のニュース

弁護士、50年後に12万人超
井の頭公園で路上表現が許可制に
女性の社会進出、日本は79位
城彰二引退決意
ネットで「銚子電鉄を救え」

コンテンツ
ひとこま画像
音楽レビュー
映画レビュー
ブックレビュー